生す(読み)ナス

デジタル大辞泉 「生す」の意味・読み・例文・類語

な・す【生す】

[動サ五(四)]産む。出産する。「子まで―・した仲」
[類語]生む生み落とす出産分娩お産安産難産初産ういざん初産しょざん初産はつざん産する身二つになる腹を痛める産卵産み付ける抱卵かえかえ孵化ふか孵卵托卵

おお・す〔おほす〕【生す】

[動サ四]
草木などを育てる。
「誰が秋にあひて荒れたる宿ならむ我だに庭の草は―・さじ」〈平中・三六〉
つめ・髪などを、伸ばす。生やす。
御髪ながく―・して」〈夜の寝覚・五〉
子供を養い育てる。養育する。
「あやしのきぬの中より―・しまゐらせて」〈讃岐典侍日記・上〉

む・す【生す/産す】

[動サ五(四)]える。生じる。「苔の―・した墓石

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「生す」の意味・読み・例文・類語

おお・すおほす【生】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 自動詞「おう(生)」の他動詞化したもの )
  2. 草木などを育てる。
    1. [初出の実例]「夫の噉ふべき八十木種(やそのこたね)皆能く播(ま)き生(ヲホシ)つ」(出典日本書紀(720)神代上(丹鶴本訓))
  3. 髪、爪などをのばす。はやす。
    1. [初出の実例]「この春よりおほす御ぐし」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)薄雲)
  4. 親などが子どもを養い育てる。養育する。成長させる。
    1. [初出の実例]「この宮たちを、〈略〉おほしたてまつり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開中)

む・す【生・産】

  1. 〘 自動詞 サ行四段活用 〙 草や苔(こけ)などがはえてふえる。生じる。
    1. [初出の実例]「河の上(へ)の斎(ゆ)つ岩群(いはむら)に草武左(ムサ)ず常にもがもな常処女(とこをとめ)にて」(出典:万葉集(8C後)一・二二)

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