生体電気(読み)せいたいでんき(英語表記)bioelectricity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生体電気
せいたいでんき
bioelectricity

生物にみられる発電現象で,生物電気ともいう。種々の細胞を取囲む生体膜は,通常外側が正,内側が負に帯電し,内外電位差がある。これを膜電位 (静止電位) といい,数 mV~80mVの値を示す。生体電気はこれに由来するが,細胞が興奮を引起すと,膜はイオンに対する透過性を変化させる。そのときナトリウムイオンが膜を通して内側へ流れ込んで内外間の電位差は減少し (脱分極) ,ついに内側が正になる瞬間もあるが,やがてもとに戻る。すなわち生体電気は,興奮性細胞での膜現象に基づく。ヒトの生体電気は心電図,筋電図,脳波図として医学の診断や,電気刺激をして骨折や傷の治癒を促進することなどに利用される。発電魚などの,ときに数百Vに及ぶ電気現象も,これら微小な個々の細胞の電気現象が積重なったものである。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいたいでんき【生体電気 bioelectricity】

生物電気ともいう。生物に見られる発電現象をいう。生体電気という言葉はイタリアの生理学者L.ガルバーニによって最初に用いられた(1786)。彼はカエル筋肉が2種の金属をつないだもの(電気ピンセット)に触れると収縮が起こることを発見し,その原因は生物電気であると説明した。A.ボルタは収縮は接触電位差によると反論した。後に,このような筋肉や神経は興奮すると活動電位を発生することが知られるようになった。生体電気現象は興奮性細胞,すなわち感覚細胞神経細胞筋細胞で顕著である。

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