産業競争力会議(読み)さんぎょうきょうそうりょくかいぎ

日本大百科全書(ニッポニカ)「産業競争力会議」の解説

産業競争力会議
さんぎょうきょうそうりょくかいぎ

2013年(平成25)1月から2016年6月まで存在した政府の成長戦略づくりを担う官民合同の会議。当時、内閣総理大臣であった安倍晋三(あべしんぞう)が議長を務め、日本経済再生本部が毎年6月にまとめる成長戦略(日本再興戦略)に対し、規制緩和、税制、産業政策などに関する具体策を提案していた。政府は2016年9月、賃上げや設備投資を促す目的で設けた「未来投資に向けた官民対話」と産業競争力会議を一本化し、新たに官民会議「未来投資会議」を創設。産業競争力会議の成長戦略に関する提言機能は未来投資会議へ引き継がれた。さらに菅義偉(すがよしひで)政権下の2020年(令和2)10月、未来投資会議を「成長戦略会議」に衣替えし、産業競争力会議の機能は成長戦略会議(議長は内閣官房長官)へと引き継がれた。

 産業競争力会議のメンバーには、副総理や経済閣僚に加え、内閣総理大臣が指名した三菱(みつびし)ケミカルホールディングス社長の小林喜光(よしみつ)(1946― )、小松製作所(コマツ)会長の坂根正弘(さかねまさひろ)(1941― )、慶応義塾大学教授の竹中平蔵(へいぞう)、元総務大臣・岩手県知事の増田寛也(ひろや)(1951― )、楽天社長の三木谷浩史(みきたにひろし)、日本商工会議所会頭の三村明夫(みむらあきお)(1940― )ら民間議員が名を連ねていた。月に1~2回のペースで会合を開き、成長戦略の具体策として、雇用規制の見直し、女性の活躍推進、高度外国人材の活用、国家戦略特区の創設、大学改革、科学技術イノベーション、公共インフラの民間開放、観光立国戦略、農水産業の活性化と輸出力強化などを提案した。ただ同じ日本経済再生本部の下部組織として発足した「規制改革会議」や「官民対話」などと議論の内容が重複しているとの批判があり、乱立ぎみの会議体を整理し、迅速な政策立案を目ざすため「未来投資会議」に一本化され、さらに「成長戦略会議」へと引き継がれた。

野 武 2021年6月21日]

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知恵蔵mini「産業競争力会議」の解説

産業競争力会議

自民党・日本経済再生本部の下部組織。第2次安倍晋三内閣の経済政策アベノミクス」の第3の矢となる成長戦略の実現に向けた調査審議を目的に設置され、13年1月に第1回目の会合が行われた。安倍首相が議長を務め、経済閣僚のほか現役の企業経営者や学識経験者らが議論を行う。同6月、政策の実施に向けた工程表や目標値などを盛り込んだ第1弾の成長戦略を決定した。

(2013-6-14)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル大辞泉「産業競争力会議」の解説

さんぎょうきょうそうりょく‐かいぎ〔サンゲフキヤウサウリヨククワイギ〕【産業競争力会議】

日本の産業の競争力強化や国際展開の促進など、安倍第二次内閣が掲げる成長戦略の具現化と推進について調査審議するために日本経済再生本部の下に設置された会議。平成25年(2013)1月発足。内閣総理大臣を議長とし、関係閣僚と民間有識者により構成。平成28年(2016)9月、未来投資会議に統合された。

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