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男子集会所 だんししゅうかいじょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

男子集会所
だんししゅうかいじょ

男子結社員および入社式 (→イニシエーション ) をすませた社会の男性成員が集合する舎屋のこと。結社員はここで寝起きし,会合し,作業を営んだりする。ここには祖先像などの宗教的道具が置かれ,秘儀的性質をもつものも少くなく,非結社員や女性の立入りは禁止され,この禁を破ると死罪に処せられることがメラネシアではみられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

だんししゅうかいじょ【男子集会所】

部族社会および文明社会の村落において,男たちが政治や宗教的な営みの中心とする場所のことで,単なる広場から壮大な舎屋まで,当該文化の程度や特性によってさまざまのものがある。メラネシアや西アフリカには,男子が女子供を秘儀によって排除する秘密結社ないし男子結社が発達しているが,それらは呪術的な彫刻や装飾を施したりっぱな男子舎屋をもっている。他方,年齢集団がつよいインド東北部のアッサム地方のように,青年男子の若者宿が成人男子すべての集会所になっている場合も多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

男子集会所
だんししゅうかいじょ

年齢集団や男子結社にかかわる男子専用の共同家屋。用途・機能はさまざまに異なるものの世界中に広く存在する。未婚の青年男子が共同生活を行う若者宿は東アフリカや東北インドなどに多くみられるが、そこで若者は社会的・軍事的訓練を受け一人前の大人となるよう教育を施される。そうした若者宿では一定の規範の下に異性に接することが許されていることがあるが、これは性教育の場であるとか、ふさわしい配偶者を得る場であるとか、さまざまに解釈されてきた。これら若者宿のなかには、昼間は個々の家族とともに過ごし、夜だけ寝にくるといった寝宿となっているものもある。
 ニューギニア高地などメラネシアに多く存在するメンズハウスmen's houseでは、未婚青年が共同生活をするのみならず、既婚男子も夜はここに泊まりにくるケースが多い。女子は穢(けが)れていると考えられており、女子に接する家庭生活は最小限にとどめられているのである。このように既婚者も参加する男子集会所は、政治や宗教活動の中心となることが多く、長老たちの会合が開かれたり、入社式(イニシエーション)や祭り、そして結社であれば秘儀などの儀礼が執り行われたりする。これらのなかには、構成員の寝泊まりのためには用いられていないコミュニティ・ハウス的なものもあり、来訪者のあるときにはその宿舎となる。
 集会所のなかには、一般民家とは建築様式を異にし、大規模で入念に建築され、彫刻や壁画などの手のこんだ装飾が施されているものも少なくない。こうした集会所はコミュニティのシンボル的存在であり、儀礼場として特別の祭祀(さいし)用具が収められていたりする。しかし一方、普通の民家が便宜的に集会所にあてられている場合もある。女子は一般に男子集会所から排除されているが、女子が結社組織をもつ社会では、女子の会合に男子と同じ集会所を用いることもある。また、一定の規範内で集会所が未婚男女の性交渉の場にあてられる場合なども存在する。[山本真鳥]

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世界大百科事典内の男子集会所の言及

【男子結社】より

…既婚男子を排除するのは,彼らが女性と密接なつながりをもつからであって,一定の年齢に達したからではない。また男子結社のなかには,男子集会所と呼ばれる特殊な舎屋をもっているものがあり,結社員はすべてこの舎屋に寝起きし,会合や作業をする。ドイツの民族学者シュルツHeinrich Schultzの《年齢階梯制と男子結社》(1902)によれば,こうした男子舎屋はその機能や性格の発展として,役場や裁判所,首長の住居,クラブ会館,警防屯所,寺院などに転化することがあり,また,この種の舎屋が未婚男女の公的恋愛の場であったところでは,一種の娼家に転化することもあるという。…

【メラネシア人】より

…メラネシア社会の中では女との接触は危険であり,力が弱められると信じられ,男は別の家で寝起きするのがよいとされている。部族によっては男子集会所(メンズ・ハウス)があり,成人男子が起居をともにしている。女は一般に秘密結社や男の集団から遠ざけられた。…

※「男子集会所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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