水彩画、素描、版画など広く絵画に用いる紙をさすが、他の用途の紙と厳密な区別はなく、歴史的にはパピルス以来あらゆる紙が絵をかくのに使われてきた。近代になって、とくに絵画用に生産される紙が豊富になり、一般にはこれらを画用紙とよぶ。画用紙は、水彩、素描、版画などの各用途に応じて、表面のざらつき、吸水性、厚薄などが適度に調整されている。水彩画では、透明水彩か不透明水彩かにもよるが、吸水度が効果を決めるもっとも重要な要素である。インクの素描では、吸水度のほかに各種のペンに対する適度の抵抗が必要であり、コンテ、木炭、パステル、鉛筆の素描では、それぞれの画材に対する抵抗や粒子の付着性、残存性などが考慮されなければならない。しかし、これらの性質の適・不適は、画家の好みや求める効果にもより、一概に断ずることはできない。ルネサンス時代を中心に流行した銀筆の素描のように、画材に対する抵抗を高めるために特殊な表面処理が必要な場合もある。19世紀後半以降、大量生産のための原料、工程、漂白剤やバインダー(つなぎ材)などの添加物が原因で変質・老化の速い紙が多いが、画用紙の製造には保存性がもっとも考慮されなければならない。
[八重樫春樹]
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…製図や図画に用いられる紙の総称で,画用紙ともいう。JISでは化学パルプを100%原料としたものと30%以上のものに分けられ,前者は製図・絵画用,後者は児童の図画用紙である。…
※「画用紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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