中村星湖(読み)ナカムラ セイコ

20世紀日本人名事典 「中村星湖」の解説

中村 星湖
ナカムラ セイコ

明治〜昭和期の小説家,評論家,翻訳



生年
明治17(1884)年2月11日

没年
昭和49(1974)年4月13日

出生地
山梨県南都留郡河口村(現・河口湖町河口)

本名
中村 将為(ナカムラ マサタメ)

別名
別号=銀漢子

学歴〔年〕
早稲田大学英文科〔明治40年〕卒

主な受賞名〔年〕
山梨県文化功労者〔昭和31年〕

経歴
早くから「中学世界」などに投稿し、早大時代は「万朝報」の懸賞募集に応じた。明治39年「盲巡礼」が「新小説」の懸賞で1等当選し、40年「少年行」を発表して作家生活に入る。41年短編集「半生」を刊行し、43年「星湖集」「影」を刊行。その間の38年、海老名弾正から受洗する。大正5年「早稲田文学」を主宰し、15年日本女子高等学院教授に就任。昭和20年郷里に疎開したのちは、晴耕雨読の生活に入る。26年山梨短期大学教授となり、31年山梨県文化功労者として表彰される。他の作品に「漂泊」「女のなか」「失はれた指環」など、評論に「農民劇場入門」、翻訳に「ボワリー夫人」「ピーターパン」「三つの物語」「湖上の美人」、児童読み物に「子ども聖書・旧約物語」がある。62年中村星湖文学賞(財団法人・山人会主催)が設立された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「中村星湖」の意味・わかりやすい解説

中村星湖【なかむらせいこ】

小説家,評論家。本名将為(まさため)。山梨県生れ。中学時代から文芸雑誌に投稿し,坪内逍遥らに知られた。1907年《少年行》が《早稲田文学》に一等当選,出世作となる。この年早稲田大学英文科を卒業,《早稲田文学》の記者となり,島村抱月門下として自然主義を鼓吹した。田山花袋の〈平面描写〉によりながらも,人間愛を失わない点が特色。《半生》《星湖集》等の短編集があるほか,《ボバリー夫人》等の翻訳がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中村星湖」の意味・わかりやすい解説

中村星湖
なかむらせいこ
(1884―1974)

小説家。本名将為(まさため)。山梨県生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。1907年(明治40)早大在学中、『少年行』が『早稲田文学』の懸賞募集に入選して認められ、卒業後『早稲田文学』の記者となり、自然主義系統の作家として大正末ごろまで小説、評論、翻訳を発表した。その後農民芸術に関心を寄せたり、教壇に立ったりしたが、45年(昭和20)郷里に引きこもり、以後晴耕雨読の生活を送った。作品集に『半生』(1908)、『星湖集』(1910)、『漂泊(ひょうはく)』(1913)などがあり、翻訳には『ボヷリー夫人』(1916)などがある。

[畑 実]

『『明治文学全集72 中村星湖他集』(1969・筑摩書房)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中村星湖」の意味・わかりやすい解説

中村星湖
なかむらせいこ

[生]1884.2.21. 山梨,河口
[没]1974.4.13. 東京
小説家,翻訳家。本名,将為。別号,銀漢子。 1907年早稲田大学英文科卒業。同年『少年行』が『早稲田文学』の懸賞小説に1等当選して文壇に進出。文芸時評を執筆するかたわら,すぐれた短編を書き,『半生』 (1908) ,『星湖集』 (10) ,『漂泊』 (13) ,『失はれた指輪』 (19) などを残した。ほかにモーパッサンの翻訳もある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村星湖」の解説

中村星湖 なかむら-せいこ

1884-1974 明治-昭和時代の小説家。
明治17年2月11日生まれ。40年「少年行」が「早稲田文学」の懸賞小説に当選。同誌の記者となり,自然主義文学の作品,評論を発表する。戦後,山梨学院短大教授。昭和49年4月13日死去。90歳。山梨県出身。早大卒。本名は将為(まさため)。短編集に「星湖集」「女のなか」,訳書にフロベール「ボバリー夫人」など。

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367日誕生日大事典 「中村星湖」の解説

中村 星湖 (なかむら せいこ)

生年月日:1884年2月11日
明治時代-昭和時代の小説家;評論家
1974年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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