痛める(読み)イタメル

デジタル大辞泉 「痛める」の意味・読み・例文・類語

いた・める【痛める/傷める】

[動マ下一][文]いた・む[マ下二]
からだを傷つける。痛くする。「足を―・める」「腹を―・めた子」
精神的に苦痛を与える。悩ます。「小さな胸を―・める」「借金で頭を―・める」
(傷める)器物建物などに傷をつける。破損させる。「家具を動かして畳を―・める」
(傷める)食物などに傷をつけたり、腐らせたりする。「輸送中に花を―・める」
経済的に痛手を与える。損をさせる。「父の懐を―・める」
[類語]痛むうずくずきずきするしくしくするちくちくするひりひりするひりつくしみる差し込む痛い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「痛める」の意味・読み・例文・類語

いた・める【痛・傷】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]いた・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. からだに苦痛を感じさせる。痛い目にあわせる。いためつける。
    1. [初出の実例]「足手をはさみ、さまざまにいためとふ」(出典:平家物語(13C前)二)
    2. 「いける物を殺し、いため、たたかはしめて遊びたのしまん人は」(出典:徒然草(1331頃)一二八)
  3. からだに、痛みや故障を起こす。「腰をいためる」
    1. [初出の実例]「からだはちっといためてゐるが」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一〇)
  4. 心に苦痛を感じさせる。悲しませる。苦しめる。
    1. [初出の実例]「きゆるおもひにこころをいため」(出典:御伽草子・こほろぎ草子(室町時代物語大成所収)(室町末))
    2. 「裾のよごれるに気もいためぬは」(出典:人情本・春色恵の花(1836)二)
  5. 物質的な損害を与える。打撃を与える。「ふところをいためる」
    1. [初出の実例]「小遣(こづかひ)に困る事はよくあるが、困るたんびに嫂(あによめ)を痛(イタ)めて事を済ましてゐた」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉五)
  6. (器物、建造物、衣類、書籍などに)きずをつける。機能材質を悪くさせる。そこなう。
    1. [初出の実例]「キモノヲ itameru(イタメル)」(出典:改正増補和英語林集成(1886))
  7. 果物野菜、魚など)食品にきずをつける。腐らせる。

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