差込む(読み)サシコム

デジタル大辞泉 「差込む」の意味・読み・例文・類語

さし‐こ・む【差(し)込む】

[動マ五(四)]
物の中やすきまなどに、他の物をさしたりはさんだりするようにして入れる。差し入れる。「プラグコンセントに―・む」「本の間に手紙を―・む」
(「射し込む」とも書く)光が入ってくる。「部屋朝日が―・む」
胸・腹が急に激しく痛む。しゃくを起こす。「胃が―・む」
口出しをする。入れ知恵をする。
「北の方に―・まれ」〈浄・天鼓
[可能]さしこめる
[類語](1挟み込む挟み入れる差し入れる挿入する挟む/(3痛むうずくずきずきするしくしくするちくちくするひりひりするひりつくしみる痛める痛い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「差込む」の意味・読み・例文・類語

さし‐こ・む【差込・挿込・射込】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 物の中やすきまなどにはめ入れる。また、つき入れる。
      1. [初出の実例]「東西の山の根に水さしこうで、水海にむかへるが如し」(出典:平家物語(13C前)七)
      2. 「名書もなき文(ふみ)ひとつ、懐(ふところ)にさし込(コミ)」(出典浮世草子・好色一代男(1682)七)
    2. 脇から口出しする。はたから知恵をつける。入れ知恵をする。
      1. [初出の実例]「あとさき知らぬあばれ飲み、今一つ上すくなしとさしこむ者には合(あひ)をさせ」(出典:浄瑠璃・信濃源氏木曾物語(1698頃)一)
    3. 遊里で、茶屋揚屋の方で芸娼妓などを指名して客に勧める。
      1. [初出の実例]「哥妓(げいこ)のお色がいもとの小いろをさしこめば、すかさず孟八(たいこもち)が拙者(わたくし)が弟子に手ずまの上手(じゃうづ)が御座りますとさしこむ」(出典:洒落本・戯言浮世瓢箪(1797)三)
    4. 客が芸娼妓や幇間(ほうかん)などを指名して呼ぶ。
      1. [初出の実例]「又つれの客とも、前方(まへかた)よりゆくをしり、約諾してあとよりさしこむには、わがあふ女郎の隙入(ひまいり)にかまはず」(出典:評判記・色道大鏡(1678)二)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 胸や腹などが物がさし入るように烈しく痛む。きりきりとひどく痛む。癪(しゃく)をおこす。
      1. [初出の実例]「借状程の物が鳩尾(きうび)へさし込は。アリャアリャ、痛や痛や」(出典:虎寛本狂言・胸突(室町末‐近世初))
    2. 光が入りこむ。
      1. [初出の実例]「さしこめば窓も湊か月のふね〈何求〉」(出典:俳諧・大海集(1672)秋下)
      2. 「秋の日は南窓から射しこんで」(出典:水彩画家(1904)〈島崎藤村〉二)
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「お首筋から手をさしこめ、そこ爰(ここ)さはりて後」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)六)

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