食の医学館 「目の老化」の解説
めのろうか【目の老化】
《どんな病気か?》
〈視野の中心部が見えにくい黄斑部変性症も老化が原因〉
年をとると目も疲れやすくなり、長時間、読書や編物などをしていると、根気がなくなってきたように感じるときがあります。
これは老眼(ろうがん)の初期症状です。老眼は、目のレンズにあたる水晶体(すいしょうたい)の調節機能が老化して起こるもので、進行すると、遠くは見えても、新聞の字など近くが見えにくくなります。
老眼のほかにも、加齢とともに、ものがかすんで見える、ゆがんで見える、チカチカする、といった目の症状を感じることが多くなります。
全体が白くかすんで見える場合は、白内障(はくないしょう)(「白内障」参照)が疑われます。また視野の中心が見えにくく、見ようとする文字だけが抜けて見える場合は、加齢黄斑変性(おうはんへんせい)の可能性があります。この病気は、網膜細胞(もうまくさいぼう)の働きが老化して起こるものです。
このような症状に気づいたら、早めに眼科医を受診しましょう。
《関連する食品》
〈目の調節機能を高めるB1、かすみ目にはB2やCが有効〉
○栄養成分としての働きから
日ごろから目の老化を防ぐ食品をとり、発症を予防しましょう。目の老化を予防するには、ビタミンAやB1、B2、それにCやEをしっかりとることです。
ビタミンAは、目の粘膜(ねんまく)や角膜(かくまく)の乾燥を防ぐほか、網膜を健康に保ち、目の疲れや視力の回復に効果があります。
ある研究では、植物性食品に含まれるビタミンA(カロテン)は、加齢黄斑変性の予防にも有効で、多く摂取している人は、その発症率が顕著に低いという報告もあります。
レチノール(ビタミンA)は、レバーやウナギ、カロテンはコマツナ、ニンジンに豊富です。
ビタミンB1は、神経の働きを円滑に保つ働きをしています。
ビタミンB1は豚肉やウナギに多く含まれています。
レバーや牛乳に多く含まれるビタミンB2は、角膜を保護し、眼精疲労を防ぎます。ビタミンB2が不足すると、光をまぶしく感じたり、目がチカチカしたり、充血しやすくなったりします。
またミカン、イチゴ、キウイに豊富なビタミンCは、老化による水晶体のにごりを抑える働きがあり、これも目のかすみに有効です。
ビタミンEには、活性酸素の害から細胞膜をまもる働きがあり、目の老化を予防します。ビタミンEは、アーモンドなどのナッツ類、カボチャ、ブロッコリーに多く含まれています。