真脇遺跡(読み)まわきいせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石川県能登町真脇にある,おもに縄文期の遺物よりなる遺跡能登半島先端の富山湾側に形成された沖積低地に立地する。 1981~83年にかけて調査され,現地表下 4mの堆積土中に縄文時代から中・近世にいたる遺物の包含が確認された。なかでも縄文時代の遺物包含層は厚く,前期後葉以降,晩期末まで連続して堆積しており,土器の編年研究を裏づけたのみならず,国内有数の長期定住型の遺跡であることが明らかにされた。遺物は滞水層中に埋没していたため,多量の土器,石器のほかに縄,編物,木製品といった有機質遺物,多種多量の動植物遺体が良好に保存されていた。特にイルカ各層にみられ,最下の縄文前期末層を主体に合計 285頭分が出土している。特筆すべき遺物には,縄文前期末のトーテムポール状彫刻柱,中期の大型石棒,後期の土面等がある。特異な遺構としては,縄文中期の大型有孔鍔 (つば) 付土器片を敷きつめた石組炉のほか,縄文晩期の石組遺構に接して真円上に法則性をもって配置されていたクリ材の巨大木柱列があり,金沢市のチカモリ遺跡,新潟県の寺地遺跡類例がみられ,葬送儀礼にかかわる施設とする説もある。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

富山湾に臨み、三方丘陵に囲まれた入り江の奥に広がる沖積平野に位置する。約6千年前~約2300年前の約4千年間にわたって営まれた集落遺跡。木製品や植物の種、大量のイルカの骨などが出土し、縄文人の食生活を探る手がかりとなった。1989年に国史跡に、91年に出土品219点が国重要文化財に指定された。

(2018-03-22 朝日新聞 夕刊 大文化)

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世界大百科事典 第2版の解説

能登半島の先端に近い石川県鳳至(ふげし)郡能都町真脇にある縄文時代前期から晩期まで継続した大規模な遺跡。南面した真脇湾岸の扇状地に立地し,1982,83の両年にわたって発掘された。現在の水田から約1m下に黒色土の縄文時代晩期の包含層があり,径80cmの巨木を三つ割りした半月形の木柱を環状に配した遺構が2ヵ所検出された。金沢市近森遺跡で検出された同種の遺構に次いで検出されたので,この種の遺構がこの地方に一般的であったと考えられる。

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国指定史跡ガイドの解説


石川県鳳珠(ほうす)郡能登町真脇にある縄文時代の遺跡。富山湾を望む、三方を丘陵に囲まれた小さな入り江の奥の沖積平野に位置している。北陸最大級の縄文時代の遺跡で、1989年(平成1)に国の史跡に指定された。縄文時代の前期から晩期にかけての遺物・遺構が途切れることなく出土しており、住居跡だけでなく巨大な木柱列のようなものも発掘されている。遺物の面からみても、北陸地方の縄文土器形式のほとんどが大量に出土しており、彫刻柱といった特殊な木製品も含まれており、イルカ骨をはじめとする動植物遺体が大量に出土するなど、縄文人の生業を知るうえで欠くことのできない重要な資料をも提供している。1991年(平成3)には出土品219点が重要文化財にしていされた。のと鉄道七尾線穴水駅から北鉄奥能登バス「真脇」下車、徒歩約5分。

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