まぶたの下にあり,眼球前面を横切って開閉できる透明な薄膜で,第三眼瞼(がんけん)third eyelidともいう。この薄膜の機能はまぶたの機能とほぼ同じで,開閉することによって角膜を湿らせ,また角膜上の異物を除去する。しかし,まぶたが上下に開閉するのに対し,瞬膜は通常前から後へ動いて角膜をおおう。瞬膜はある種のサメ類,無尾両生類,多くの爬虫類,鳥類などに存在するが,哺乳類では退化している。爬虫類や鳥類では,まぶたは休息や睡眠中に眼を閉じるのに主として使われ,大部分のまばたきは瞬膜が行っている。飛行中の鳥は,角膜が直接空気にふれて乾燥することを防ぐために,瞬膜が角膜をおおったままの状態になっているといわれる。また,ある種の潜水鳥(アビ,海ガモ,ウミスズメなど)では,瞬膜の中央に屈折率の異なったレンズ様の窓があり,水中における眼の焦点調節を助けている。
執筆者:森岡 弘之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…したがって,レンズがヒトのものより柔らかく,調節筋はよく発達している。そのうえ,多くの鳥では調節力をいっそう大きくするために角膜の凸度も調節でき,アビや海ガモ類では瞬膜(まぶたの下にあって角膜を覆うことのできる透明な膜)が一種の補助レンズの働きをしている。 鳥の視力がすぐれているのは,主として視細胞の数が非常に多いことによる。…
…爬虫類では,多くは上と下のまぶたのどちらも可動性であるが,目を閉ざすのは普通下のまぶたである。爬虫類,鳥類,および哺乳類では,第3のまぶたである瞬膜が発達する。瞬膜は内側上方から外側下方へ動いて角膜を清掃し,湿りけを与える働きをする。…
※「瞬膜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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