日本大百科全書(ニッポニカ) 「硝酸鉛」の意味・わかりやすい解説
硝酸鉛
しょうさんなまり
lead nitrate
鉛の硝酸塩。酸化鉛(Ⅱ)PbOや鉛白Pb(OH)2・2PbCO3または金属鉛を硝酸に溶かして得られる。無色の結晶。470℃以上で酸化鉛(Ⅱ)と二酸化窒素とに分解する。濃硝酸には溶けにくい。水に溶ける。水酸化アルカリにより水酸化鉛(Ⅱ)を沈殿するが、過剰に溶けて亜鉛(あなまり)酸塩となる。顔料の製造原料、マッチ、爆薬、防腐剤、収斂(しゅうれん)剤、染色、試薬などの用途がある。
[守永健一・中原勝儼]