「二十巻本和名抄‐四」には「方磬 律書楽図云磬〈苦定反 方磬俗云奉強〉懸二十四」とあり、平安時代中期には、まだ「きん」と読んでいなかったと思われる。
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中国古代の体鳴楽器。石あるいは玉の板に彫刻をほどこしたものを架につるして,木づちで打奏する。後には金属製となった。殷代には,大形の磬を一つつるした〈特磬〉が存在し,周代以来,雅楽で用いられた。1950年殷墟から嬰ハの音高をもつ虎紋入りの大理石の磬が出土している。磬の形には半円形と〈へ〉の字形の2種があり,長さの比は2対1である。音高の異なるいくつかの磬を組み合わせて木の架(虡(きよ)または簨虡(しゆんきよ)という)につるしたものを〈編磬〉といい,殷代には磬が3枚のもの,周代にはすでに十数枚を木架に1列につるしたものも存在した。並べ方は16枚の磬を木架の上下2段に並べ,下段は右より左へ,上段は左より右へ順次半音ずつ高く並べる。それぞれの磬は形と大きさが同じでも,厚み(音高)が異なっている。朝鮮の雅楽では,現在も編磬が用いられている。
執筆者:増山 賢治 ところで磬は寺院でも使われ,楽器と同じく形も〈へ〉の字形のつりさげ用,すえおき用の鉢形,あるいは手もち用の引磬などがある。禅院で儀式の合図や,読経の節をとる法具としての鐘にかわり,一般に磬子(けいす)と呼ばれて,大磬,小磬など,種々の鳴らしものの総称となり,今はむしろ,この意味にのみ用いられる。ただし,仏寺の法具としての磬子の起りは,古代インドの犍稚(かんち)にありとし,ガンガンひびく音声よりくるとする説もある。
執筆者:柳田 聖山
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…磬とも書き,鏧(磬)子(けいす∥きんす),打金(うちがね),銅鉢(どうばち),あるいは俗にザルガネなどともいう。仏教で用いる鳴物(楽器)の一種で,銅または青銅製で大型の鉢の形をしたもの。…
…また,古代中国および現代の朝鮮半島にみられる編鐘は,音の高さの異なる鐘(しよう)を多数配列した,珍しい金属製打楽器である。 その他の打楽器として,比較的少数の例であるが,古代中国などの磬(けい)のように石を打つものがある。また,日本のすりざさらやメキシコのギロのようにこすって鳴らすもの,あるいはオセアニアなどに多いがらがらのように,堅くて小さなものを一度に鳴らすタイプの楽器も,広い意味で打楽器に含めてよいであろう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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