日本歴史地名大系 「鉢形」の解説
鉢形
はちがた
〔中世〕
元亨元年(一三二一)九月六日の島津忠宗置文(島津家文書)によると、忠宗は「一むさしのくにはちかたの越訴」等を子息貞久が行うように定めており、鉢形が島津氏の所領であった可能性がある。文明一二年(一四八〇)一一月二八日の太田道灌書状写(松平文庫所蔵文書)に鉢形が散見するが、これ以降の戦国期の多くの史料では鉢形城と同義として鉢形の呼称が使用されている。延徳元年(一四八九)三月一日の上杉定正書状写(古証文)は子息朝良のために自らの事績を列挙したものであるが、そのなかに「一鉢形仕付憲房申、上州一揆悉服長尾幕下」とみえる。現
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報