祁連山脈(読み)きれんさんみゃく

精選版 日本国語大辞典 「祁連山脈」の意味・読み・例文・類語

きれん‐さんみゃく【祁連山脈】

中国の中央部、青海省、甘粛省の省境に連なる山脈主峰祁連山(五九二五メートル)。平均標高は四〇〇〇メートル以上で積雪が多く、地下資源も豊富。南山山脈。チーリエン山脈。

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百科事典マイペディア 「祁連山脈」の意味・わかりやすい解説

祁連山脈【きれんさんみゃく】

中国の山脈で,広義には甘粛省西部から青海省東北部にかけての山域を総称し,黄河水系と内陸水系を分かつ分水嶺となっている。河西回廊の南にあることから南山とも呼ばれる。西北から東南へといくつかの山系が約1000kmにわたって続いている。狭義の祁連山脈はこのうちの最も北を走る山系で,主峰祁連山(5547m)は酒泉市の南方にある。山脈全体の最高峰は青海省内の哈拉(ハル)湖の北を東西に走る疏勒(そろく)南山山系の崗則吾結峰(5808m)。融雪の流水によって河西回廊地帯に面する北麓に多くのオアシスを形成している。祁連はモンゴル語で天の意。
→関連項目アルトゥン[山脈]甘粛[省]崑崙山脈青海[省]青蔵高原チャイダム盆地

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改訂新版 世界大百科事典 「祁連山脈」の意味・わかりやすい解説

祁連山脈 (きれんさんみゃく)
Qí lián shān mài

中国,甘粛・青海両省の省境,青蔵高原の北縁を形成する山脈。数条の平行した山嶺からなり,河西回廊とチャイダム(柴達木)盆地の間に分布する。最高峰は団結峰(5827m)。4000m以上では氷河が発達し河西回廊の水源となる。山ろくにはチベット族,河西回鶻(かいこつ)の子孫ユーグ(裕固)族などが居住,焉支(えんし)山一帯には漢の霍去病(かくきよへい)によって官営養馬場が開かれて以来,軍馬飼育場が発展している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「祁連山脈」の意味・わかりやすい解説

祁連山脈
きれんさんみゃく / チーリエンシャン

中国、青海(せいかい/チンハイ)省と甘粛(かんしゅく/カンスー)省の境界にある山脈。青蔵高原の北東縁に西北西から東南東に約800キロメートルにわたって連なる。南東流する大通河、北東流する黒河と北大河、西流する疏勒(そろく)河と党(とう)河などの河谷により、大通山、托来(とうらい)山、疏勒南山、党河南山など多くの山脈に分かれている。酒泉(しゅせん/チウチュワン)県南方にある主峰祁連山(5547メートル)をはじめ、5000メートル峰数座を数え、高山地帯には万年雪と氷河の形で水を蓄える。山地から流出する多くの川が山麓(さんろく)に点々とオアシス集落を成立させる。モンゴル高原側の北麓には河西(かせい)回廊があり、ここに1959年以来蘭新(らんしん)鉄道が通じている。

[酒井敏明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「祁連山脈」の意味・わかりやすい解説

祁連山脈
きれんさんみゃく

チーリエン(祁連)山脈」のページをご覧ください。

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