神河(読み)かみかわ

改訂新版 世界大百科事典 「神河」の意味・わかりやすい解説

神河[町] (かみかわ)

兵庫県中央部,神崎(かんざき)郡の町。2005年11月大河内(おおかわち)町と神崎町が合体して成立した。人口1万2289(2010)。

神河町西部の旧町。神崎郡所属。人口5239(2000)。市川の上流域にあり,山林が町域の大部分を占める。河川沿いの狭い低地に水田集落が分布するほかは,標高1000m前後の山々に囲まれている。美林が多く,林業が盛んであるが,林業従事者の高齢化,若年労働力の流出などの問題も生じている。JR播但線が市川沿いに走り,神戸,姫路方面への通勤者が増えている。西部の上小田では線香の生産が行われている。北西部の峰山高原は,第2次世界大戦前は陸軍の用地であったが,現在はスキー場やキャンプ場として観光開発が進められている。

神河町東部の旧町。神崎郡所属。1955年,越知谷,大山,粟賀の3村が合体して神崎町となる。人口8261(2000)。市川支流の越知川が南流し,沿岸に水田と集落があるほかは,急峻な山が連なり,山林が町域の大半を占める。良質の杉,ヒノキ材を産する。特産品に瓦や磁器がある。農業は米作中心であるが,零細で,兼業化が著しい。南部の粟賀は,江戸時代生野銀山からの金,銀搬送の要地にあり,池田氏陣屋町としてにぎわった。播但連絡道路の開通により,レクリエーション施設への観光客も多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神河」の意味・わかりやすい解説

神河(町)
かみかわ

兵庫県中央部、神崎郡(かんざき)にある町。2005年(平成17)、同郡神崎町、大河内町(おおかわちちょう)が合併して成立。西側の千町ヶ峰(せんちょうがみね)、暁晴(ぎょうせい)山、東側の千ヶ峰(せんがみね)、笠形(かさがた)山など、1000メートル級の山々に囲まれ、町域の8割を山林が占める。集落は町域を北から南へ貫流する市川(いちかわ)、およびその支流の小田原(おだわら)川、越知(おち)川などの流域に点在。市川に沿ってJR播但線(ばんたんせん)が走り、その東方、越知川、猪篠(いざさ)川に並行しながら播但連絡自動車道、国道312号が縦貫。江戸時代は生野(いくの)銀山(朝来(あさご)市)からの金、銀の輸送路として栄えた。スギ、ヒノキなどの林業、播磨(はりま)工業地域への近郊農業が基幹産業で、ユズ、清流のアユ、線香などが特産品。近年は雪彦峰山(せっぴこみねやま)、笠形山千ヶ峰(かさがたやませんがみね)の各県立自然公園域に含まれ、峰山高原、砥峰(とのみね)高原などが広がる自然環境を生かした観光施設の整備、大河内水力発電所や神崎工業団地の開発などにも取り組んでいる。面積202.23平方キロメートル、人口1万0616(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「神河」の意味・わかりやすい解説

神河[町]【かみかわ】

兵庫県中央部に位置する神崎郡の町。町の中心を市川が南流する。2005年11月,神崎郡神崎町,大河内町が合併し町制。JR播但線,播但連絡道路,国道312号線が通じる。202.23km2。1万2289人(2010)。
→関連項目大河内[発電所]

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