神税(読み)かんちから

精選版 日本国語大辞典 「神税」の意味・読み・例文・類語

かん‐ちから【神税】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かむちから」と表記。「ちから」は租税の意 ) 神にささげる稲。神社に属する神戸(かんべ)から出される田租をいう。懸税(かけちから)
    1. [初出の実例]「天社地社の神税(カムチカラ)は、三つ分ちて、一つをば、神に擬供(つかまつ)るが為にし、二つをば神主に分ち給へ」(出典日本書紀(720)天武六年五月(北野本訓))

しん‐ぜい【神税】

  1. 〘 名詞 〙 古代中世、神社の修造祭祀などの経費に充てるため、神戸(かんべ)から徴発した租税。
    1. [初出の実例]「穴師神税 合定穎稲参仟玖伯弐拾漆束陸把参分」(出典:正倉院文書‐天平九年(737)和泉監正税帳)

かむ‐ちから【神税】

  1. 〘 名詞 〙かんちから(神税)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神税」の意味・わかりやすい解説

神税
しんぜい

神田 (しんでん) より神社へ奉納した租税。古代より行われたが,文書による初例は,天武6 (677) 年天社地社の神税で,3分の1は供御,残り3分の2は神主に給えという勅である。大宝令では,神社に属する戸 (かんべ) の調庸田租は,すべて神社経費にあてられ,以来,鎌倉室町江戸時代を通じて神税の制は維持され,祭祀,造宮などの費用にあてられた。

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