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祭服 さいふく liturgical vestments

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

祭服
さいふく
liturgical vestments

キリスト教やユダヤ教で礼拝のとき司祭が着用する衣服。荘厳な雰囲気をつくりだすように,特に豪華につくられている。布地の配色や形に象徴的な意味がこめられており,キリスト教の場合にはローマカトリックが 18種,ギリシア正教が9種を基本とするほか若干の変化形式がある。

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デジタル大辞泉の解説

さい‐ふく【祭服】

祭祀(さいし)のときに神官たちが着る衣服。日本の神社では、ふつう衣冠を用いる。
天皇が神事のときに着用する帛(はく)の御衣(おんぞ)。
キリスト教で、ミサのときに司祭などが着る服。

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世界大百科事典 第2版の解説

さいふく【祭服】

祭祀(さいし)に用いられる服装。式服,礼服ともいう。
[神道の祭服]
 大きく皇室祭祀の服装と一般神社の神職用の服装とに分けられる。皇室祭祀の服装は天皇6種,皇后3種など20種からなり,神職用の服装は男女別にそれぞれ4種からなる。男子神職用は正装(衣冠いかん)),礼装(斎服(さいふく)),常装(狩衣(かりぎぬ)),浄衣(じようえ)の4種である。正装は冠(かんむり),垂纓(すいえい),掛緒(かけお),袍(ほう),単(ひとえ),指貫(さしぬき),笏(しやく),檜扇(ひおうぎ),畳紙(たとうがみ),浅沓(あさぐつ)で束帯の略装である。

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大辞林 第三版の解説

さいふく【祭服】

祭主・神官やキリスト教の司祭と侍者などが祭祀さいしのときに着る衣服。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

祭服
さいふく

祭祀(さいし)に仕えるときに着用する服。古く8世紀初頭の「衣服令(りょう)」には、礼服(らいふく)、朝服(ちょうふく)、制服(せいふく)の制があり、平安中期には、男子服に束帯(そくたい)、衣冠(いかん)、女子服に五衣(いつつぎぬ)、唐衣(からぎぬ)、裳(も)などができ、唐制模倣からわが国独自のものがつくられた。神道(しんとう)における祭服は、皇室の祭服、伊勢(いせ)の神宮の祭服、神宮以外の全国神社の祭服とに大別できる。
 皇室の祭服は、さらに天皇、皇后、皇太子、同妃、皇族、掌典職(しょうてんしょく)職員とに分けられる。
 天皇の御服は6種ある。
(1)御祭(ごさい)服―もっとも重大なる大嘗祭(だいじょうさい)と新嘗祭(にいなめさい)に着用される。純白生織りのままの絹地でつくる。
(2)帛御袍(はくのごほう)―純白の平絹(へいけん)の御服。大礼のとき、即位礼の当日、賢所(かしこどころ)の大前の儀および頓宮(とんぐう)より廻立殿(かいりゅうでん)に渡御(とぎょ)のときに召される。
(3)黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)―黄櫨染めで、桐(きり)・竹・鳳凰(ほうおう)・麒麟(きりん)の地文がある。宮中三殿の恒例の祭祀その他に召される。
 (1)~(3)の様式は束帯(そくたい)で、生地に生絹(すずし)、練絹(ねりぎぬ)などの違いがある。
(4)御引直衣(おひきのうし)―御直衣の裾(すそ)を引いたもの。恒例の勅使発遣の儀に召される。
 (1)~(4)は天皇のみが御着用になる御服である。
(5)御直衣(おのうし)―仕立ては束帯の縫腋(ほうえき)に同じで、臨時の勅使発遣の儀に召される。
(6)御小直衣(おこのうし)―節折(よおり)、奉納される御霊代(みたましろ)御覧のときに召される。
 (4)~(6)の直衣は、衣冠単(ひとえ)の様式である。
 皇后の御服は3種あり、様式は十二単(ひとえ)あるいはこれを簡略化したもの。
(1)帛御服(はくのごふく)―御五衣(おんいつつぎぬ)・御唐衣(おんからぎぬ)・御裳(おんも)などからなり、純白の平絹でつくる。即位礼当日、賢所大前の儀および大嘗祭に召される。
(2)御五衣・御唐衣・御裳―すべて絢爛(けんらん)の色彩を施したもの。即位礼当日紫宸殿(ししんでん)の儀のほか、(1)の儀に次ぐ重儀に召される。
(3)御五衣・御小袿(おんこうちき)・御長袴(おんながばかま)―年中の大祭・小祭を通じて召される。
 皇太子の御服は、(1)斎服(さいふく)、(2)黄丹袍(おうにのほう)(束帯)、(3)衣冠単、(4)直衣の4種で、男子皇族の御服はだいたいこれに準ずる。ただし、黄丹袍は皇太子専用で、皇族はすべて黒袍。
 皇太子妃の御服は、(1)五衣・唐衣・裳、(2)五衣・小袿・長袴、(3)袿袴(うちきはかま)の3種で、女子皇族はだいたいこれに準ずる。
 掌典職職員は、恒例の祭服は、斎服または浄衣(じょうえ)で、大礼には、束帯または衣冠単を用い、内掌典はすべて袿袴を用いる。
 伊勢の神宮における祭服は、恒例祭祀には生絹の斎服もしくは浄衣、式年遷宮のときは祭主以下束帯・明衣(みょうえ)・衣冠・斎服・浄衣その他を用いる。ただし、女子祭主は小袿・袴または袿袴である。神宮以外の全国神社の祭服は、男子は大祭は正装で衣冠、中祭は礼装で斎服、小祭は常装で狩衣(かりぎぬ)または浄衣、女子は大祭は正装で袿袴、中祭は礼装で袿袴または水干(すいかん)、小祭は常装で水干と定められている。[沼部春友]

キリスト教

教会の典礼、洗礼や婚姻などの秘蹟(ひせき)の授与、祝別式などの儀式に司祭が着用する特別の衣服。祭服が使用された起源は『旧約聖書』の時代までさかのぼり、キリスト教においても初期キリスト教時代以来連綿として用いられている。祭服は一般の衣服とは異なるが、時代と文化の影響を受けて変化がみられる。
 カトリック教会の祭服にはローマ式祭服やゴシック式祭服などがある。祭服には白、赤、紫、緑などの色が用いられ、クリスマスや復活祭などの祝日には白、殉教者の記念には赤、キリストの受難節には紫、聖節以外の年間には緑現在は以前と比べて簡喜化され、赤や録や紫の祭服が指定されている祝日でも白い祭服(カズラ)の上からその色のストラをかけてもよい。[安齋 伸]
『A・フリューラー著、土屋吉正訳『新しい祭服』(1966・南窓社)』

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世界大百科事典内の祭服の言及

【服装】より

…明治政府は欧米の文物制度をとり入れて近代国家の整備を急いだので,新しい国家体制にふさわしい服装制度が,欧米の制度にならって立てられた。1872年(明治5)太政官布告によって,勅任官,奏任官および非役有位者の大礼服ならびに上下一般の通常礼服が示されたが,それは欧米服装にならって金色燦然(さんぜん)たる大礼服を制定し,燕尾服を通常礼服,フロックコートを通常服と規定するもので,従来の服装は衣冠を祭服として存続させたほか,直垂,狩衣,裃などはこれをすべて廃止することとした。しかし,早急な全般的な改正は困難であったので,77年9月には太政官達によって判任官以下の者は羽織袴をもって通常礼装に準ずることを認め,婦人礼装についても,84年の宮内省達をもって勅任官・奏任官夫人などの袿袴の制が定められた。…

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