福富草子(紙)(読み)ふくとみぞうし

百科事典マイペディア 「福富草子(紙)」の意味・わかりやすい解説

福富草子(紙)【ふくとみぞうし】

室町時代御伽(おとぎ)草子。1巻。《福富長者物語》とも。放屁妙音を発する術で財宝を得た福富織部の隣に住む乏少(ほぐしょう)の藤太は,妻にそそのかされて織部に入門し,貴人の前で演じて失敗,打擲(ちょうちゃく)されて帰る。技芸成功談と物うらやみを戒める寓話の混成したもの。絵巻もあり,伝写本,模本が多いが,なかでも15世紀前半の制作とされる春浦院本(出光美術館蔵),クリーブランド美術館本が著名

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