最新 地学事典 「福徳岡ノ場海底火山」の解説
ふくとくおかのばかいていかざん
福徳岡ノ場海底火山
Fukutoku-Oka-no-Ba submarine volcano
気象庁の活火山名は福徳岡ノ場。好漁場で,もともと漁業関係者による呼び名。東京の南約1,300km,硫黄島からは南南東へ約55km,南硫黄島の北北東約5kmの北緯24°17′05″,東経141°28′52″に位置する海底火山。噴出物はアルカリ岩(粗面岩,粗面安山岩)で単斜輝石・かんらん石・斜長石の斑晶を含む。20世紀以降に複数回の噴火が知られ,まとまった量の漂流軽石を発生させる。噴火のない時期にもしばしば変色水が観測される。1904~05,1914年の海底噴火でそれぞれ海抜145m,300mの火砕物でできた島をつくり,新硫黄島と呼ばれたのち,海食により消滅。1973~74年にも噴火。1986年1月の海底噴火では,長径600m,高さ15mあまりの火砕物でできた新島を形成したが,波浪によって2ヵ月余りで消滅。1992年11月,2005年7月にも海底噴火し,少量の軽石を海面に浮遊させた。2021年8月13日に始まった海底噴火はVEI=4の規模で,海面上から成層圏に達する16~19kmの高さの噴煙を立ち上げて多量の漂流軽石を発生し火砕物でできた新島も形成。この噴火による新島は同年12月には消失。漂流軽石は,2021年10月から沖縄を中心とした南西諸島に多量に流れ着き,船舶の運航や漁業・養殖業に大きな被害をあたえた。その後,日本列島の各地の海岸や台湾やタイなどにも流れついた。
執筆者:及川 輝樹
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

