種子島宇宙センター(読み)タネガシマウチュウセンター(その他表記)Tanegashima Space Center

デジタル大辞泉 「種子島宇宙センター」の意味・読み・例文・類語

たねがしま‐うちゅうセンター〔‐ウチウ‐〕【種子島宇宙センター】

種子島の南東端、南種子町みなみたねちょう茎永にある、気象通信衛星や実験用ロケットの打ち上げ・観測を行う施設。昭和41年(1966)設置JAXAジャクサ宇宙航空研究開発機構)が運用する。

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共同通信ニュース用語解説 「種子島宇宙センター」の解説

種子島宇宙センター

鹿児島県南種子町にある日本最大のロケット発射場。総面積は約970万平方メートル。人工衛星の搭載や、ロケットの組み立てから打ち上げ後の追跡まで、一連作業を担う。純国産の大型ロケットH2シリーズで、宇宙ステーションへの物資を運ぶ無人補給機こうのとり」や小惑星探査機はやぶさ2」、温室効果ガス観測衛星「いぶき2号」など、さまざまなものを宇宙へ送ってきた。発射費用を抑えられる次期大型H3の開発が進んでおり、2020年度の打ち上げを予定する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「種子島宇宙センター」の意味・わかりやすい解説

種子島宇宙センター
たねがしまうちゅうせんたー
Tanegashima Space Center

実用分野の人工衛星やロケットの打上げ、観測を行う施設。鹿児島県種子島の南種子(みなみたね)町にある。1966年(昭和41)に当時の科学技術庁宇宙開発推進本部によって設置され、小型ロケットの打上げ実験を行ってきたが、1969年宇宙開発事業団発足とともにその事業所となった。小型ロケットの打上げを行う竹崎射場、人工衛星の打上げを行う大崎射場、H-Ⅱロケット開発に伴い1993年(平成5)に完成した大型ロケット射場のほか、指令管制施設、電波および光学観測設備、ロケットエンジン地上燃焼試験設備などがあり、敷地面積は、増田宇宙通信所を含み約860万平方メートルである。日本初の静止衛星「きく2号」、先にアメリカで打ち上げられた気象衛星「ひまわり」に続く「ひまわり2号」、日本初の商用通信衛星「さくら2号a」および「同号b」、地球観測用衛星の「みどり」などがここから打ち上げられた。なお、宇宙開発事業団は2003年10月、宇宙科学研究所航空宇宙技術研究所と統合して、新たな独立行政法人、宇宙航空研究開発機構となった。種子島宇宙センターは、H-ⅡAロケットおよびH-ⅡBロケットの打上げ基地として運営されている。

[平木 一・久保園晃]

『十亀英司著『日本最大の宇宙基地 種子島宇宙センター』(春苑堂出版・かごしま文庫)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「種子島宇宙センター」の意味・わかりやすい解説

種子島宇宙センター
たねがしまうちゅうセンター

鹿児島県南種子町にある宇宙航空研究開発機構のロケット発射施設。 1966年5月科学技術庁宇宙開発推進本部が建設を決定,1969年宇宙開発事業団発足に伴いその事業所となり,1971年から実用衛星打ち上げのためのテレメータ観測所やレーダステーションなどを建設。約 840万m2の敷地に,小型ロケットの打ち上げを行なってきた竹崎射場と実用衛星打ち上げを行なうH-I,H-IIロケットなどのための大崎射場がある。射場から5~20kmのところに,追跡管制所,レーダステーション (2ヵ所) の各施設がある。

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世界大百科事典(旧版)内の種子島宇宙センターの言及

【種子島】より

…また江戸時代には能野(よきの)焼が作られた。南端の門倉崎は西に種子島海峡をへだてて屋久島を,東に前の浜をのぞむ景勝の地で,竹崎にはロケット基地の種子島宇宙センターがある。島の中心は北西部の西之表市街で,鹿児島港から3.5~4時間で定期船が通じる。…

【南種子[町]】より

…漁業はトビウオ,タイ類の漁獲が多い。南東部には宇宙開発事業団のロケット基地種子島宇宙センターがある。南西端の門倉崎は1543年(天文12)ポルトガル船が漂着して鉄砲を伝えた地で,〈鉄砲伝来紀功碑〉がたつ。…

【ロケット発射場】より

…日本初の人工衛星おおすみはここから発射された。 種子島宇宙センター(日本)鹿児島県の種子島にある宇宙開発事業団の発射場。北緯30.4゜,東経131゜。…

※「種子島宇宙センター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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