稲美町(読み)いなみちよう

日本歴史地名大系 「稲美町」の解説

稲美町
いなみちよう

面積:三四・九六平方キロ

県の南部中央に位置する。北は三木市、東は神戸市西区、南は明石市、北西から南西にかけては加古川市に接する。東側は明石川の谷平野、北側は美嚢みの川の氾濫原、西側は加古川の氾濫原、南は播磨灘に限られた洪積台地である印南野いなみの台地のほぼ中央を占める。古代以来加古郡に属する。江戸時代は一九村があり(天保郷帳)、全村一貫して姫路藩領。一九村のうち九村は新田村で、加古大かこおお池・天満大てんまおお池など多くの溜池が築かれた。綿作は藩が寛永一〇年(一六三三)頃から奨励し、綿織までの工程を地域内で一貫して行い、特産地を形成した(兵庫県史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稲美町」の意味・わかりやすい解説

稲美〔町〕
いなみ

兵庫県南部,姫路平野東部にある町。神戸市の西に隣接する。 1955年加古,母里,天満の3村が合体して町制。町名の由来は,このあたりが印南野 (いなみの) ,稲見野と呼ばれていたことによる。上下2段の海岸段丘から成り,水利が悪く開発が遅れたが,江戸時代,多くのため池を造り水田化に努めたため,ため池密集地となり,県下穀倉地帯の一つとなった。神戸,加古川,明石の各都市に囲まれていることから,1960年代から工業化,住宅地化が進んだ。面積 34.92km2人口 3万268(2020)。

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