日本歴史地名大系 「石清尾山古墳群」の解説
石清尾山古墳群
いわせおやまこふんぐん
石清尾山(二三二・六メートル)から
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
石清尾山(二三二・六メートル)から
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香川県高松市街南西部の石清尾山山塊に築かれた古墳群。土を盛った土塚もあるが,尾根上の高所に所在する主要古墳は,いずれも石を積んで墳丘を築いた石塚である。石塚には,前方後円墳(姫塚,石船塚,北大塚),方墳,円墳に加え,稀有な墳形である双方中円墳(猫塚,鏡塚)がみられる。猫塚で竪穴式石室,石船塚で割竹形石棺の存在が確認できる。副葬品として,猫塚から中国鏡,仿製鏡,石釧(いしくしろ),筒形銅器,銅剣,鉄刀剣,銅鏃,鉄鏃などが知られる。中国鏡のうちに前漢代の内行花文精白鏡を含む。前漢鏡や銅剣は古墳の副葬品としては異例である。これら石塚の営造年代はほぼ4世紀とみてよい。なお,姫塚出土と伝える漢代中期の方格規矩四神鏡は,背文が磨滅し,かつ補修の小孔を有する。この遺品によって,梅原末治は1933年に鏡の伝世を指摘し,古墳の営造年代の研究に新しい局面をひらいた。
執筆者:川西 宏幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
香川県高松市峰山町の石清尾山塊にある積石塚(つみいしづか)古墳群。横穴式石室を有する後期古墳もみられるが、石を積み上げて墳丘を形成した積石塚古墳が特徴。双方中円墳(そうほうちゅうえんふん)の猫塚、鏡塚をはじめ、前方後円墳では姫塚、石船塚(いしふねづか)(割竹(わりたけ)形石棺)、北大塚、鶴尾神社4号墳などが注目される。これまでに本格的な発掘調査は行われていないが、猫塚の竪穴(たてあな)式石室からは銅鏡5面のほか、銅鏃(どうぞく)、筒形銅器、小銅剣が、鶴尾神社4号墳からは方格規矩四神鏡(ほうかくきくししんきょう)などが出土し、これらの古墳が4、5世紀のものであることを物語っている。積石塚古墳の性格については、大陸の影響説と、石材が多いという自然環境説の両者がある。石船塚は1934年(昭和9)国の史跡に指定された。
[松本豊胤]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…前者では,直径2m前後の円形を呈する積石塚が多数見つかり,弥生時代の集団墓の状況を思わせたが,後者においては,柄鏡式の前方後円墳の形状をした積石塚が出現しており,定型化した前方後円墳以前に,古墳時代の首長墓的な積石塚が出現しているといわれる。同じ四国の香川県高松市の石清尾山(いわせおやま)の丘陵上に分布する積石塚群(石清尾山古墳群)は著名である。ここでは石清尾山に産出する安山岩の石塊を利用して,竪穴式石室を包蔵する比較的大規模な前方後円墳,双方中円墳や円墳・方墳状の小形積石塚など,4,5世紀ごろの積石塚が30基前後知られている。…
※「石清尾山古墳群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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