貨幣を使ってする賭博。地面に貨幣が入るよりはやや大きい穴を掘って,少し離れて数人が交互に貨幣を投げ入れる。入らなかった者の貨幣は,入った者がとる。江戸時代中期ごろから市井の簡単な賭博として,主として江戸で行われた。正月になると,子どもたちがお年玉などをもらうので,穴一をするのが習わしになっていた。貨幣を使うといっても大方は一文銭だった。おとながするときは,一分銀を使うこともあったらしいが,そのような高額貨幣を投げる穴一は珍しかった。穴一とは穴打ちという言葉の転訛(てんか)ともいわれている。路上に硬い物で線を引いてその線を基準に行う穴一もあった。転じては室内でテーブル上で行うことも明治以後はあった。穴印地,穴ぽん,意銭,きづ,むさし,かんきり,穴道,てぎ,けし,お江戸,筋打ち,ろく,又小路などと地域や時代によって異称がある。
執筆者:加太 こうじ
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子供の古い賭(か)け事遊び。銭の大きさほどの円形の小穴を地面にあけ、一定の線外から銭を投げて穴に入ったものを自分の所得とする。または相手の指定した銭に打ちつけ、当たったものを勝ちとする。穴一は、穴の前に一線を引いて勝負を争う意味とも、また「穴打ち」の転訛(てんか)ともいう。平安時代に中国から渡来した遊びで、江戸時代に流行した。銭の代用として鉛製の銭形玩具(がんぐ)も生まれた。めんこ、ビー玉遊びに似ている。
[斎藤良輔]
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