戦闘や狩猟の際、矢が雨露にぬれたり物に触れて破損するのを防ぐための矢入れ具の一種。羽壺、靭とも書く。植物の穂の形をしており、中が空洞になっているもので、その形は のように下部は箙(えびら)の式に似ており、矢を盛る口を竈(かまど)という。穂部にかける皮を懸(かけ)皮といい、鹿(しか)、熊(くま)、虎(とら)、豹(ひょう)、猿などの皮を使うことを正式とするが、そのほかに塗空穂、騎馬空穂、大和(やまと)空穂、土俵空穂などの種類がある。空穂に盛る矢は7本、9本、11本が一般的であるが、土俵空穂のように多量運搬を目的とする特大のものもあった。空穂は平安時代末期にすでにあったが、室町時代に入り箙が廃れるとともに当時の武士は盛んにこれを使用した。
[入江康平]
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