奈良県生駒郡三郷町立野に鎮座。旧官幣大社。天御柱(あめのみはしら)命,国御柱命をまつる。《延喜式》に〈竜田坐天御柱国御柱神社〉とある名神大社で,月次(つきなみ)・新嘗の幣帛を受けている。《延喜式》の祝詞によると,崇神天皇のとき,凶作が続いたので天皇が悩み,夢にこの神をまつると豊作になるとのお告げがあって,〈吾を朝日の日向ふ処,夕日の日隠る処の竜田の立野の小野にいつきまつれ〉との神告によって,その場所に神殿を造り建てたのが本社の起源であると伝えている。675年(天武4),美濃王,佐伯連広足を遣わして風神をこの地にまつったのが風神祭(かぜのかみまつり)の始まりで,広瀬神社の大忌祭(おおいみのまつり)とともに国家的な大祭として後世に伝えられた。806年(大同1)には神戸3戸を寄せられ,神位は822年(弘仁13)従五位下を,850年(嘉祥3)には従五位上を授けられ,風雨のつど累進し,859年(貞観1)には正三位を授けられている。爾来朝廷の厚い崇敬を受け,二十二社の一つにも選ばれている。中世以後衰微し,江戸時代には幕府から12石の朱印領を与えられたにすぎなかった。現在は風神の利益をもって,農業,航空機,船舶航海,漁業など風に関係のある職業につく人たちの厚い信仰を受けている。4月4日の例祭(滝祭),6月28日~7月4日の風鎮祭が有名である。
執筆者:加藤 隆久
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新