竜田山(読み)タツタヤマ

デジタル大辞泉 「竜田山」の意味・読み・例文・類語

たつた‐やま【竜田山/立田山】

奈良県北西部、三郷さんごう町と大阪府柏原市との間の山地古名大和から河内へ行く「竜田越え」の山。

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精選版 日本国語大辞典 「竜田山」の意味・読み・例文・類語

たつた‐やま【龍田山・立田山】

  1. 奈良県北西部、三郷町と大阪府との境にある山。信貴山に連なる。古来大和国河内国とを結ぶ交通路うち最も利用度の高い道が、この山を越えていた。また、紅葉(もみじ)名所としても聞こえ、大坂夏の陣の古戦場一つでもある。
    1. [初出の実例]「海(わた)の底沖つ白波立田山(たつたやま)いつか越えなむ妹があたり見む」(出典万葉集(8C後)一・八三)

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日本歴史地名大系 「竜田山」の解説

竜田山
たつたやま

竜田大社西方、信貴しぎ山の南に連なる大和川北岸の山の総称。生駒山地の最南端。この山を越えて河内国大県おおかた(現大阪府八尾市など)に通じる道を竜田越と称し、またかめ越ともいった。「大和志」は竜田山に「在立野村上方、形勢雄偉、巨川遶麓流、山麗水潔」と注している。

「日本書紀」神武即位前紀戊午年四月九日条に「皇師兵をととのへて、歩より竜田に趣く。而して其の路狭く嶮しくして、人並み行くこと得ず」とみえ、同書履中天皇即位前紀では、天皇が住吉仲皇子の反に遭い、平群木菟に助けられて難波から竜田山を越えて大和へ入ったことを記している。

「扶桑略記」昌泰元年(八九八)一〇月二八日条に宇多上皇が吉野から摂津国に向かう途中、竜田山を越えて河内国に入ったことがみえており、「巳刻、上皇指摂津住吉浜、経竜田山、入河内国、竜田是自古名山勝境也、各献和歌、云々、菅原朝臣絶句曰、満山紅葉破心機、況遇浮雲足下飛、寒樹不知何処去、雨中衣錦故郷帰」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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