精選版 日本国語大辞典「競」の解説
きお・う きほふ【競・勢・気負キおふ】
〘自ワ五(ハ四)〙
※万葉(8C後)二〇・四四六九「渡る日の影に伎保比(キホヒ)て尋ねてな清きその道またも逢はむため」
※源氏(1001‐14頃)帚木「風にきほへる紅葉の乱れなど、あはれとげに見えたり」
② 気力を集中してふるまう。勇みたつ。意気込む。勢いがある。
※玉塵抄(1563)五「ことの南風の声がきをわぬほどに楚のいくさ利を得まいと云たぞ」
※談義本・華鳥百談(1748)五「こりゃきほひ給へと、せなかをたたきてそやし立られ」
③ (気負) 自分こそはといった考えや態度をする。
※ブラリひょうたん(1950)〈高田保〉海へ「思い上りということがある。〈略〉『マルクス・レーニンの筋金』と気負うのもその一つかもしれぬ」
くら【競】
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)五「また酒ののみっくらしよふとおもってか」
きそ・う きそふ【競】
〘自ワ五(ハ四)〙 互いに張り合う。競争する。あらそう。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※後裔の街(1946‐47)〈金達寿〉四「屋台の店は先をきそってしまいはじめる」
きそい きそひ【競】
〘名〙 (動詞「きそう(競)」の連用形の名詞化) 互いに負けまいと張り合うこと。競争。きおい。
※匠材集(1597)四「きそひ これもあらそふ也」
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