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筆跡学 ひっせきがく graphology

翻訳|graphology

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

筆跡学
ひっせきがく
graphology

広義には手書き字に関する研究一般をいう。これには手書き字の個人差の問題,書体,書風,書法の問題,客観的評価の問題などが含まれる。また,法廷筆跡学は法的証拠のための手書き字の研究である。

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デジタル大辞泉の解説

ひっせき‐がく【筆跡学】

書かれた文字について理論的、実際的に研究する学問。筆跡と性格との関係を研究する性格学的筆跡学と、複数筆跡間の執筆者が同一人か否かを判断する筆跡鑑定とがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひっせきがく【筆跡学 graphology】

書かれた文字の図形的特徴,大小,筆圧などを分析することによって,その人物の精神的特徴,性格との関連を明らかにしたり,書き手の異同を判別する学問領域であり,書相学ともいう。この方面については,古くから関心がもたれていたが,フランスのミションJean‐Hippolyte Michon(1806‐81)によりグラフォロジーgraphologieという名称が初めて与えられ(1871),クレピュー・ジャマンJules Crépieux‐Jamin(1858‐1940)により理論的発展をみた。

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大辞林 第三版の解説

ひっせきがく【筆跡学】

書かれた文字の特徴に基づき、書いた人の性格や心理などを研究する学問。筆跡鑑定などを含める。書相学。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

筆跡学
ひっせきがく
graphology

筆跡とそれを書いた人の関係の研究。二大領域があり、一つは性格学的筆跡学で、筆跡特徴と性格特徴の関係を調べる。他は執筆者鑑別(または同一性検定)で、複数筆跡間の執筆者が同一人か別人かを調べる。[黒田正典]

歴史

発祥は、ゲーテも友人であったスイスのプロテスタント牧師ラバーターJohann Kaspar Lavater(1741―1801)にあると考えられる。彼は人や動物の面相(相貌(そうぼう)、顔つき)と性格の関係の直観的記述(すなわち面相学、ドイツ語でPhysiognomik)を行い、その著『面相学的断章』(1775~78)第三巻のなかに筆跡研究も含まれていた。これが反響をよび、フランスではイポリート・ミションJ. H. Michon(1806―81)、クレピュー・ジャマンJ. Crpieux-Jamin(1858―1940)らの大家が現れた。ドイツのクラーゲスは、それまでの多種多様の筆跡学的発見を整理・統合して体系的理論とした。面相学的立場の筆跡学はこれでほぼ完成し、以後の発展は部分的な微調整とか実験心理学との結合の形をとる。すなわち筆跡学的判断の信頼性について実験心理学者による相関関係の研究がしばらく続いたが、肯定的結果も多く、信頼性を問う研究は消えた。かわって筆跡を人格診断の一要因とする積極的研究が盛んになり、知能、体型、反応時間、不安、催眠、疾病、精神病その他、種々の要因との関係が追究された。筆跡研究に関係した著名な学者として、F・クリューガー、クレッチマー、G・W・オールポート、アルンハイムその他、数が多い。
 他方、中国、日本では古くから墨色があり、「墨」は墨で書いたもの、「色」は特色の色で特徴の意味であり、つまりは筆跡学である。墨色は筆跡の個性的特徴を観察するが、生涯の運命までも言及し、飛躍がある。たとえば、終筆をよく圧(お)さえない一の字を書く人は早死にする、などである。日本人の筆跡の科学的分析の鼻祖は精神医学者呉秀三(くれしゅうぞう)で、その『精神病者の書態』(1892)において書字運動の運動生理学的考察ののち、各種精神病者の筆跡特徴を分析した。心理学者松本亦太郎(またたろう)は書を美的鑑賞の対象と考えたが、性格との関係は否定し、その影響は城戸幡太郎(きどまんたろう)、乾孝(いぬいたかし)に及んだ。肯定的立場の研究は黒田正典(まさすけ)、町田欣一(きんいち)、相場均(あいばひとし)らが行った。最近、槇田仁(まきたひとし)は、人格検査(SCT)への反応として生じた筆跡の特徴について、チェックリストに基づき多くの大学生に種々の評定を行わせた。その結果は因子分析にかけられ、クレッチマーの性格諸類型に対応する筆跡の型を取り出すことに成功した。なお執筆者鑑別に関する研究は、『科学警察研究所報告』にしばしば報告されている。また書字運動の記録・測定は広島大学で行われた(吉岡一郎・1956、小林利宣(としのぶ)・1979)。執筆者鑑別の一理想は字画特徴の電子工学的読み取りによる客観的筆跡鑑定であるが、名古屋大学でもその研究が進められた(吉村ミツらによる)。[黒田正典]

筆跡の本質

筆跡を単にいろいろの形の線の集合と考えるのは誤りである。筆跡は個性的な書字運動の軌跡であり、そして書字運動は身体全体の運動の一部である。人格の特徴が語られるとき、その大部分は身体運動の特徴である。たとえば鈍重、のんびり、せかせかなど。筆跡に性格が表れるのは、この理による。そのほか筆跡には文字の姿や筆遣いに関するイメージ(指導像、ドイツ語でLeitbild)が働く。さらに紙面全体の印象には擬似空間的経験が結合する。紙面の上方は天、下方は地、筆の進行方向は未来、その反対は過去などである。[黒田正典]

筆跡特徴と性格特徴

筆跡に表れやすい性格特徴は、惰性(だせい)の強さで、行動を容易におこせないが、それが始まると容易に止まらない傾向である。こういう人の筆跡は不規則とか字画の強圧・湾曲を特徴とする。惰性が弱ければ、規則正しい形、横線相互・縦線相互の平行、字画と字画の柔らかな連絡などとなる。惰性が弱ければ、自己の制御が容易であったり、感情が滑らかに流露したりする。また理想・夢想が強ければ、指導像が優位となり、筆跡は強いスタイル、ポーズを示す。[黒田正典]
『黒田正典著『書の心理――筆跡心理学の発達と課題』改訂版(1980・誠信書房) ▽黒田正典著『書の心理――書による人の謎解きについて』(佐藤進一・羽下徳彦編『書の日本史4 室町/戦国編』所収・1975・平凡社) ▽槇田仁著『SCT筆跡による性格の診断――表出行動についての基礎的研究』(1983・金子書房) ▽G・W・オルポート著、今田恵監訳『人格心理学 下』(1978・誠信書房)』

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