精好(読み)セイゴウ

  • せいこう ‥カウ
  • せいごう ‥ガウ
  • せいごう〔ガウ〕

世界大百科事典 第2版の解説

絹織物の一種で,精好織の略。〈せいご〉ともいう。地風が緻密で精美なため名付けられたといい,延久年間(1069‐74)からある古い織物とされる。経緯ともに絹糸を使ったもろねり,経緯糸の一方のみに練絹糸を使ったかたねりなどがある。また,経緯とも,無撚の生糸を使い緯糸を水に浸してよく打ち込んだものは,塩瀬風の外観をもち練染して使う。古くは平絹(ひらぎぬ)とともに女装束のの袴地や貴人の白下袴,能装束大口袴などに用いられた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地合いが緻密(ちみつ)で精美な織物であるという精好織の名称を略したもので、経緯(たてよこ)とも練(ねり)糸を使ったもの(諸練(もろねり)という)、あるいは経に練糸、緯に生糸を用いた(片練(かたねり)という)平織の絹織物。経糸に細い糸を使い、緯糸に太い合糸を水に浸して使うため、塩瀬(しおぜ)、琥珀(こはく)の地合いによく似ており、やや堅くて厚い。平安時代から絹織物生産の衰退に伴い、そのうちの良質な絹織物として生まれたもので、大口(おおぐち)などの袴地(はかまじ)に使われた。近世初頭には丹後(たんご)精好として知られ、丹後国(京都府)の特産品であった。また男物の袴地として精好平(ひら)があり、伊達(だて)藩の精好仙台平はそのうちの上等品でもあった。しかし現在では、神官の装束などに使われるくらいで、使用量は少ない。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① (形動) つくりかたが細かくてよいこと。できばえの美しいこと。また、そのさま。
※続日本紀‐霊亀元年(715)一〇月乙卯「凡粟之為物。支久不敗。於諸穀中。㝡是精好」
※塩山和泥合水集(1386)「その寺厳博殊能にして精好なり」 〔宋史‐五行志〕
② (━する) 細かな点にまで注意して工夫をこらし、良い結果や良いできばえのものにすること。みがきをかけて美しくすること。
※北条泰時消息‐貞永元年(1232)八月八日「おなしていなる事をも、つよきは申とをし、よはきはうつもるるやうに候を、すいふんにせいかうせられ候へとも、おのつから人にしたかうて軽重なとのいてき候」
〘名〙
① 「せいごうおり(精好織)」の略。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※建武年間記(南北朝頃)「精好大口、一切停止之、可練大口

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の精好の言及

【有職織物】より

…経糸と緯糸によって作られる織物の四原組織のうち繻子(しゆす)組織を除くすべて,平組織(平織),斜文組織(),綟り(もじり)組織(綟り織)を網羅し,それぞれの組織の中にもさまざまな風合いのものがみられる。 平織では絹,絁(あしぎぬ),縑(かとり),練緯(ねりぬき),精好(せいごう)などが挙げられ,絹は上質の生糸を用いて織ったもの,絁は絹よりやや質の落ちる太細のある糸で織ったもの,縑は上質の生糸を精密に固く織ったものとされている。以上は経緯とも生糸で織り,生絹(すずし)と呼ばれてそのまま使うか,それを練って練絹として用いる。…

※「精好」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

マスターズトーナメント

1934年 B.ジョーンズと A.マッケンジーにより創設されたゴルフトーナメント。毎年4月第2週にジョージア州オーガスタのナショナルコースで行なわれ,「マスターズを制する者は世界を制する」といわれるほ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android