(読み)セイ

デジタル大辞泉 「精」の意味・読み・例文・類語

せい【精】[漢字項目]

[音]セイ(漢) ショウ(シャウ)(呉) [訓]しらげる くわしい
学習漢字]5年
〈セイ〉
玄米を白く清らかにする。しらげる。「精白精麦精米搗精とうせい
不純物を取り去り良質なものにする。よりすぐる。よりすぐったもの。「精鋭精華精粋精髄精製精選精肉精兵精油精練酒精
雑念がなくひたすらはげむ。「精勤精励丹精
念入りでこまかい。くわしい。「精巧精細精粗精緻せいち精通精読精密
人間の活動のもとをなすもの。「精気精神精力
自然物に潜むとされる霊。「精霊妖精ようせい
生殖のもとになるもの。「精液精子射精受精夢精
〈ショウ〉
ひたすらはげむ。「精舎しょうじゃ精進しょうじん
霊魂。「精霊しょうりょう
[名のり]あき・あきら・きよ・きよし・くわし・しげ・しら・すぐる・すみ・ただ・ただし・つとむ・ひとし・まこと・まさし・もり・よし

せい【精】

[名・形動]
心身の力。元気。精力。「のつく食べ物
「こう矢鱈に松ばかり並んで居ては歩く―がない」〈漱石・坑夫〉
人間以外のものに潜んでいるといわれる魂・霊魂。精霊。「森の
細かく詳しいこと。また、そのさま。「を尽くす」
「論文の―なるは智のあまねきにあり」〈田口日本開化小史
よりすぐってあること。まじりけがないこと。また、そのさまや、そのもの。
精液のこと。「を漏らす」
[類語]エネルギー原動力活力体力精力パワー動力馬力

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「精」の意味・読み・例文・類語

せい【精】

  1. 〘 名詞 〙
  2. しらげること。また、そのもの。よくついた米。〔荘子‐人間世〕
  3. ( 形動 ) 詳しいこと。細かくゆきわたっていること。念入りに手を加えること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「記事の巧みなるは想像の密なるにあり、論文の精なるは智の洽きにあり」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉四)
    2. [その他の文献]〔春秋公羊伝‐荘公一〇年〕
  4. ( 形動 ) まじりけのない純粋なもの。えりすぐったもの。最もすぐれたもの。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「吾が車は、牛がはやうて、牛をあつかう御者が精(セイ)な者ぞ。さるほどにはやいことぢゃと云たぞ」(出典:玉塵抄(1563)九)
    2. [その他の文献]〔書経‐大禹謨〕
  5. ( 形動 ) 心をうちこむこと。力をつくしてはげむこと。努力すること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「桜本にて学問する程に、せいは月日の重なるに随ひて、人に勝れてはかばかし」(出典:義経記(室町中か)三)
  6. 生命の根本の力。身にそなわっている力。元気。精力。精気。エネルギー。せ。
    1. [初出の実例]「Xeiuo(セイヲ) ツカラス」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    2. 「扨も扨も、つんぼに物いへば、せいも心もつきることじゃ」(出典:狂言記・聾座頭(1700))
    3. [その他の文献]〔易経‐繋辞下〕
  7. こころ。たましい。
    1. [初出の実例]「万の物に体と精と態と三つの事備りたり」(出典:ぎやどぺかどる(1599)上)
    2. [その他の文献]〔宋玉‐神女賦〕
  8. ある物に宿る魂。多く、その魂が別の姿形になって現われた場合にいう。性。
    1. [初出の実例]「謹撿符瑞図曰、神馬者、河之精也」(出典:続日本紀‐天平三年(731)一二月乙未)
    2. [その他の文献]〔宋書‐符瑞志下〕
  9. 精液。
    1. [初出の実例]「彼朝臣漏精、足動感情、先々常有此之事、於此道不耻于往古之人也」(出典:台記‐久安三年(1147)正月一六日)

しらげ【精】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しらげる(精)」の連用形名詞化 )
  2. 米をつきしらげること。玄米をついて精白すること。また、その米。白米。
    1. [初出の実例]「しらげの米はただ人のため 神垣の庭の真砂を打まきて〈救済〉」(出典:菟玖波集(1356)雑体)
  3. よりぬくこと。すぐれてよいこと。
    1. [初出の実例]「趙もそこを心えて、よいしらげ、くっきゃうの勢を十万、斎え合力してあるほどに、楚がひいて帰たぞ」(出典:玉塵抄(1563)一八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「精」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
14画

[字音] セイ・ショウ(シャウ)
[字訓] しらげよね・くわしい・きよい・こころ・たましい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(青)(せい)。〔説文〕七上に「擇ぶなり」とあり、米を択ぶ意とする。〔論語、郷党〕に「(し)はを厭(いと)はず」とあり、また〔山海経、中山経〕に「(しよ)(供米)には五種のを用ふ」とあって、とは神に供えるため、しらげた穀米をいう。のちすべて精美・精良のものをいい、精神をもいう。

[訓義]
1. しらげる、しらげよね、精米。
2. くわしい、あきらか、きよい、うつくしい。
3. 正しい、もっぱら、専一、よいもの。
4. ひかり、はれる、もと。
5. こころ、たましい、まこと。
6. もののけ、ちみ、おにがみ、たま。
7. 睛と通じ、ひとみ。

[古辞書の訓]
名義抄 マナコ・クハシ・シラグ・ミガク・コマカナリ・ワキマフ・タマシヒ・ヨシ・スグル・マコト・ツツム・シナフ・スコシ・エラブ・ホソシ・マモル・シヅカニ・ハゲシ/靈 タマシヒ

[語系]
(情)dziengは同声。米穀の精、人の心の精爽なるものをまた精という。

[熟語]
精進・精意精一・精・精鋭・精英精叡・精遠・精華・精核・精精確精覈・精悍・精鑑・精幹・精感精簡・精気・精暉精綺精騎・精義・精究・精強・精暁・精勤・精苦精勁精詣・精慧・精潔・精健・精厳・精甲・精光・精好精洽・精巧精魂精彩・精采・精細・精察・精思・精至・精識・精悉・精舎・精秀・精熟・精純・精醇・精誦・精神・精審・精心・精信・精真・精深・精・精慎・精人・精粋・精髄・精誠・精整・精切・精選・精鮮・精粗・精壮・精爽・精卒・精汰・精択・精断・精緻・精致・精忠・精通・精当・精到・精博・精白・精魄・精微・精魅・精品・精敏・精夫・精覆・精兵・精弁・精本・精米・精密・精妙・精明・精猛・精勇・精要・精曜・精耀・精蘭・精理・精慮・精良・精力・精霊・精麗・精・精廉・精錬・精廬・精朗
[下接語]
惟精・鋭精・炎精・花精・感精・含精・鏡精・玉精・金精・勤精・月精・研精・元精・交精・構精・山精・至精・思精・酒精・受精・授精・出精・神精・真精・水精・枢精・清精・赤精・雪精・専精・丹精・地精・天精・梅精・冰精・不精・無精・木精・妖精・陽精・養精・耀精・励精・霊精・練精・労精

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