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精神現象学 せいしんげんしょうがく Phänomenologie des Geistes

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

精神現象学
せいしんげんしょうがく
Phänomenologie des Geistes

ドイツの哲学者フリードリヒヘーゲルの主著の一つ。 1807年刊。本書は難解ではあるが,年代的にも体系的にも彼の哲学体系全体への導入部の位置を占める。彼はイェナ時代 (1801~07) ,F.シェリング同一哲学の立場に立っていたが,本書では,シェリングにおける絶対者の無差別的同一性が批判され,絶対知は対象と絶対それ自身との生ける統一としての絶対者の知であり,意識 (感覚的確実性,知覚,悟性) から始り,自己意識,理性,精神,宗教を経て,絶対知にいたる精神の自己展開の弁証法的過程が記述されている。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版の解説

せいしんげんしょうがく【精神現象学 Phänomenologie des Geistes】

1807年刊のヘーゲルの主著の一つ。感覚という意識のもっとも低次の段階から,経験を通じて,精神が〈絶対知〉に達する過程を描く。意識が,外からの知識を用いずに,自分で自分を吟味し,真理そのものをとらえる地点にまで高まることを示して,人間知の限界を,知の外部に立てる〈彼岸性〉の立場を根本的に乗り越えようとしたもの。意識の経験の歩みの中には,自然法則社会法則のみならず,宗教も組みこまれ,人間精神の全体が自己確証を果たす。

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大辞林 第三版の解説

せいしんげんしょうがく【精神現象学】

ヘーゲルの主著の一。1807年刊。現象する知(意識)が自己自身の真実の姿を発見していく弁証法的な経験を繰り返し、普遍性を高めていって、ついには学の立場である絶対知に到達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

精神現象学
せいしんげんしょうがく
Phnomenologie des Geistes

ドイツ観念論哲学の大成者とされるヘーゲルの主著の一つ。本書はヘーゲルの体系的思想の出発点ともいうべき著作であり、彼の初期思想および以後の体系期の思想のいっさいを包括しているともいいうるほど、内容豊かな著作である。1807年イエナで出版された。本書は初め『意識の経験の学』という表題で書き進められたが、のち『精神現象学』の題名に変更された。
 全体は、「意識」「自己意識」「理性」「精神」「宗教」「絶対知」の6章からなる。ヘーゲルは本書において、客観的な諸対象および主観的な意識の典型的なあり方のいっさいを「弁証法的に」たどる。それによって、対象と意識とが究極的に統一され、一つの全体を形成し、この全体において無限な生命としての「絶対者」、すなわち「精神」が、現象することを証示する。この証示の過程はまた、われわれが「絶対者」と不可分に一体であることを経験する道程でもあるのである。ヨーロッパ哲学史上で、今日に至るまで大きな影響を与えている有数の古典の一つとなっている。[高山 守]
『金子武蔵訳『精神の現象学』上下(1971、79・岩波書店) ▽樫山欽四郎訳『精神現象学』(『世界の大思想 ヘーゲル』所収・1973・河出書房新社) ▽金子武蔵著『ヘーゲルの精神現象学』(1973・以文社) ▽W・マルクス著、上妻精訳『ヘーゲルの「精神現象学」』(1981・理想社) ▽R・ノーマン著、宮坂真喜弘訳『ヘーゲル「精神現象学」入門』(1982・御茶の水書房) ▽加藤尚武編『ヘーゲル「精神現象学」入門』(1983・有斐閣)』

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世界大百科事典内の精神現象学の言及

【現象学】より

…マッハの提唱した〈現象学的物理学〉は,原子とか原因・結果といった形而上学的な概念を排除し,感覚的経験に与えられる運動の直接的記述から出発して,それらの記述を相互に比較しながらしだいに抽象度の高い概念を構成してゆくというしかたで,物理学理論を根本的に組みかえることを企てるものであった。一方,物理学におけるこうした用法と並行して,狭義の哲学の領域においてもこの語は,当初は形而上学の予備学としての〈仮象〉の理論を指すために使われていたが(J.H.ランバート,カント),やがてヘーゲルの《精神現象学》(1807)によって哲学史の表舞台に姿をあらわすことになる。ヘーゲルにあっては,現象学はもはや仮象の理論ではなく,感覚的経験から絶対知へと生成してゆく精神のそのつどの現れ(現象)をその必然的な順序において記述する作業を意味した。…

【ヘーゲル】より

…精神の有限な形態が,自分を有限なものとして知るという自己認識が,絶対者への道程となる。有限な知から絶対知への〈意識の経験の歩み〉を叙述するのが《精神現象学》(1807)である。イェーナがナポレオン戦争の戦火にみまわれ,大学が閉鎖されるなどの事態となり,ヘーゲルは一時,新聞の編集者となるが,やがてニュルンベルクのギムナジウムの校長となり(1808),40歳にして,20歳のマリー・フォン・トゥヘルと結婚する。…

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