筆彩浮世絵版画の様式名。墨摺絵(すみずりえ)に、紅を主調として黄土・草色などで筆彩したもの。享保(きょうほう)年間(1716~36)の初め、版元の和泉(いずみ)屋権四郎によって始められたと伝えるが、丹絵(たんえ)にかわって1720年(享保5)前後から盛んになり、1750年代まで行われた。紅絵にさらに膠(にかわ)入りの光沢ある墨で筆彩したものを漆絵(うるしえ)とよんでいる。紅絵・漆絵に続いて現れた2、3色の多色摺木版画も、紅を主調としたところから当時は紅絵とよばれたが、今日ではこれは紅摺絵(べにずりえ)と称して区別している。なお紅絵の称は、江戸時代には浮世絵の代名詞ともなっている。
[浅野秀剛]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…丹絵は元禄から享保(1716‐36)初年にかけて行われた。
[紅絵,漆絵]
享保初年は丹に代わって主調色を紅とした〈紅絵(べにえ)〉が生まれ,寛保年間(1741‐44)まで盛行した。紅は紅花の花弁から作られた鮮紅色の絵具で,澄明感のある優しい色合を特色とする。…
※「紅絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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