累層
るいそう
formation
地層を岩相単位に区分するときの基本単位で、同一の岩質をもつ地層や、岩質の異なる複数の地層の組合せとして一様なひと続きの地層をまとめたもの。岩質の変化は堆積(たいせき)環境の変化を反映しているため、それぞれの地域の環境の変化をもっともよく表すよう区分されるのが普通である。そのため累層の厚さは、1メートル程度のものから数千メートルに達するものまであるが、一般的には2万5000分の1程度の地質図に表現しうる程度の厚さである。
累層名は、それが模式的に発達する地域の地名を累層の上に冠し、たとえば「成田累層」のように記載するのが普通である。「累」を省略して、たとえば「成田層」のようによぶことも多い。累層をいくつかまとめて層群とよび、累層をさらに細分したものを部層という。
[村田明広]
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累層
ライエルは,起源,時代,組成を問わず,何らかの一般的な特徴をもった岩石の集合体であるとしている[Lyell : 1838].近年ではこの語は特徴的な岩質を持ち地質図が書ける程度の岩体に限られている[Krumbein & Slos : 1963].火成岩,変成岩,堆積岩に用いられ,時代的な考えは必要がなく層の厚さには関係しない.
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
るい‐そう【累層】
地層を岩相によって区分するときの基本になる単位層。同一の環境またはある環境の一定の繰り返しのもとで堆積した一連の地層で、上下の層とはっきり区別できるもの。層。
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るい‐そう【累層】
〘名〙 地層区分の一つ。
平行に重なっている地層(
単層)の集まり。いくつかの累層が集まって層群となる。
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世界大百科事典内の累層の言及
【地層】より
…単層は地層の最小の単位で,その厚さは数mmのラミナから数mあるいはそれ以上までの幅がある。単層がまとまったのが層員member,累層formation,層群groupなどと区分されている。これらの単位は年代的意味をもっているものではないが,ときに層群が系に分類されることもある。…
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