江戸後期の代表的経世論書。4編15巻。佐藤信淵(のぶひろ)著。1827年(文政10)成立。自序によれば大著「経済総録」(現存しない)の要領の抜粋といい,総論・創業編・開物編・富国編からなる。幕藩制の危機の原因を生産力の低さと商業資本の寄生的性格に求め,その克服のため統一権力の上からの改革により,生産技術の振興,生産物の国家専売などを行い,人民を救済し富国の実現を説く。「世界を一新する大業」をめざすべきとも説いた。創業から開物,富国,垂統へというみずからの経世論・経済思想を体系的にのべており,その経世論・経済思想を知るうえで必須の著作。「岩波文庫」「日本経済大典」所収。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…上下2巻。大部の著書《経済要録》(1827成立)に先行し,諸侯のとるべき政策,彼の宇宙論,天文地理から農学・農政論,鉱山学,交易流通論にいたるまでの信淵の思想の体系的整理が行われている。序および総論第一,創業第一,開物第二,富国第三,垂統第四から成る。…
※「経済要録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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