経済要録(読み)ケイザイヨウロク

デジタル大辞泉 「経済要録」の意味・読み・例文・類語

けいざいようろく〔ケイザイエウロク〕【経済要録】

江戸後期の経済書。15巻。佐藤信淵のぶひろ著。文政10年(1827)成立。安政6年(1859)刊。総論・創業篇・開物篇・富国篇の4篇からなり、産業を興し、国を富ませて、人民を救済することを説いたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「経済要録」の意味・読み・例文・類語

けいざいようろく‥エウロク【経済要録】

  1. 江戸後期の経済書。一五巻。佐藤信淵著。文政一〇年(一八二七)成立。死後の安政六年(一八五九)刊。鉱業作物栽培漁業畜産狩猟、各種の産地、採集技術などを論じたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「経済要録」の意味・わかりやすい解説

経済要録
けいざいようろく

佐藤信淵(のぶひろ)が1827年(文政10)に著した経済書。総論、創業篇(へん)、開物篇、富国篇の4篇全15巻よりなる。中央集権的政府が中心となり、国土開発し、諸産業をおこし、秩序ある交易振興し、国を富し、もって国民生活の安定を計るべきことを説いている。信淵の主著であると同時に、近世経世論としてもっとも体系化されたものの一つで、平田国学や洋学の影響も著しい。「岩波文庫」(滝本誠一校訂)、『日本経済大典』第18巻などに収録

[島崎隆夫]

『滝本誠一編『佐藤信淵家学全集』全3巻(1925~27・岩波書店)』

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「経済要録」の解説

経済要録
けいざいようろく

江戸後期の代表的経世論書。4編15巻。佐藤信淵(のぶひろ)著。1827年(文政10)成立。自序によれば大著「経済総録」(現存しない)の要領の抜粋といい,総論・創業編・開物編・富国編からなる。幕藩制の危機の原因を生産力の低さと商業資本の寄生的性格に求め,その克服のため統一権力の上からの改革により,生産技術の振興,生産物の国家専売などを行い,人民を救済し富国の実現を説く。「世界を一新する大業」をめざすべきとも説いた。創業から開物,富国,垂統へというみずからの経世論・経済思想を体系的にのべており,その経世論・経済思想を知るうえで必須の著作。「岩波文庫」「日本経済大典」所収。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済要録」の意味・わかりやすい解説

経済要録
けいざいようろく

佐藤信淵著。 15巻。文政 10 (1827) 年成立。江戸時代後期の経世書で,物産の開発と経済の振興を説き,集大成的な意味をもつ大作。『岩波文庫』『日本経済大典』『佐藤信淵家学全集』に所収。

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旺文社日本史事典 三訂版 「経済要録」の解説

経済要録
けいざいようろく

江戸後期,佐藤信淵 (のぶひろ) の経世書
1827年刊。15巻。絶対主義的な統一国家のもとで,官営商業・資源開発・海外進出をめざす重商主義的政策を主張した。

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世界大百科事典(旧版)内の経済要録の言及

【経済要略】より

…上下2巻。大部の著書《経済要録》(1827成立)に先行し,諸侯のとるべき政策,彼の宇宙論,天文地理から農学・農政論,鉱山学,交易流通論にいたるまでの信淵の思想の体系的整理が行われている。序および総論第一,創業第一,開物第二,富国第三,垂統第四から成る。…

※「経済要録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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