網野菊(読み)あみのきく

精選版 日本国語大辞典 「網野菊」の意味・読み・例文・類語

あみの‐きく【網野菊】

  1. 小説家東京生まれ。志賀直哉師事し、大正一五年(一九二六)短編集「光子」で文壇登場身辺に材を求めた私小説が多い。「一期一会(いちごいちえ)」「ゆれる葦」など。明治三三~昭和五三年(一九〇〇‐七八

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20世紀日本人名事典 「網野菊」の解説

網野 菊
アミノ キク

大正・昭和期の小説家



生年
明治33(1900)年1月16日

没年
昭和53(1978)年5月15日

出生地
東京市麻布区(現・東京都港区)

学歴〔年〕
日本女子大学英文科〔大正9年〕卒

主な受賞名〔年〕
女流文学者賞(第2回)〔昭和23年〕「金の棺」,芸術選奨文部大臣賞(第12回)〔昭和36年〕「さくらの花」,女流文学賞(第1回)〔昭和37年〕「さくらの花」,読売文学賞(小説賞 第19回)〔昭和42年〕「一期一会」,日本芸術院賞(第24回)〔昭和42年〕

経歴
大正9年短篇集「あき」を刊行。母校同窓会に勤め、10年から英語教員もする。12年より志賀直哉に師事し、15年「光子」を刊行し、以後も「妻たち」「若い日」などを刊行。昭和23年「金の棺」で女流文学者賞を受賞し、「さくらの花」で36年芸術選奨を、37年女流文学賞を受賞。42年には「一期一会」で読売文学賞を受賞し、またこの年の日本芸術院賞を受賞した。他の作品に「汽車の中で」「ゆれる葦」「冬の花」など。「網野菊全集」(全3巻)も刊行されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「網野菊」の意味・わかりやすい解説

網野菊
あみのきく
(1900―1978)

小説家。明治33年1月16日東京に生まれる。千代田高等女学校在学中から文才を認められ、1920年(大正9)日本女子大学校専門学校(現、日本女子大学)英文科卒業の年、短編集『秋』をまとめた。また、早稲田(わせだ)大学露文科に聴講生として在籍。1923年志賀直哉(なおや)を訪ね、以後、一貫して志賀に師事。1926年志賀の世話で『光子(みつこ)』を刊行。その作風は、生き別れた実母、3人の義母、破婚の経験などを描いた私小説に徹し、ことに第二次世界大戦後、『憑(つ)きもの』(1946)、『金の棺(ひつぎ)』(1947)などにより、その重厚さが評価された。代表的な作品集に『汽車の中で』(1940)、『さくらの花』(1961)、『ゆれる葦(あし)』(1964)、『一期一会』(1967)など。1970年芸術院会員。昭和53年5月15日没。

保昌正夫

『『網野菊全集』全三巻(1969・講談社)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「網野菊」の意味・わかりやすい解説

網野菊
あみのきく

[生]1900.1.16. 東京
[没]1978.5.15. 東京
小説家。 1920年日本女子大学英文科卒業。 21年から同校で英語を教え,短編『蕎麦の種子』 (1921) を発表,22~25年早稲田大学ロシア文学科聴講生となった。 23年志賀直哉をたずねて以来,師事することとなり,志賀の紹介による『家』 (24) ,『光子』 (26) で認められた。寡作だが地道な精進を続け,母の情事による離別,3人の義母,弟妹縁者の死,自身の離婚などの重なる不幸を素材に,諦観を秘めた率直な感慨を重く乾いた文体で綴った『金の棺』 (47) で女流文学者賞を,『さくらの花』 (61) で女流文学賞と芸術選奨を受けた。ほかに『ひとり暮し』 (59) ,『ゆれる葦』 (61~63) などがある。 68年日本芸術院賞受賞。芸術院会員。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「網野菊」の解説

網野菊 あみの-きく

1900-1978 大正-昭和時代の小説家。
明治33年1月16日生まれ。志賀直哉(なおや)に師事,大正15年「光子」を刊行。結婚,離婚をへて,昭和15年「汽車の中で」でカムバックした。私小説を中心に発表し,37年「さくらの花」で女流文学賞と芸術選奨,43年「一期一会(いちごいちえ)」で読売文学賞。同年芸術院賞。44年芸術院会員。昭和53年5月15日死去。78歳。東京出身。日本女子大卒。

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367日誕生日大事典 「網野菊」の解説

網野 菊 (あみの きく)

生年月日:1900年1月16日
大正時代;昭和時代の小説家
1978年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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