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耳垢(読み)ミミアカ(その他表記)cerumen

翻訳|cerumen

デジタル大辞泉 「耳垢」の意味・読み・例文・類語

みみ‐あか【耳×垢】

耳の穴にたまる垢。みみくそ。じこう
[類語]耳糞

じ‐こう【耳×垢】

あか

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精選版 日本国語大辞典 「耳垢」の意味・読み・例文・類語

みみ‐あか【耳垢】

  1. 〘 名詞 〙 外耳道表皮がはがれたものや脂肪や塵埃などがまじって外耳道中にできたかたまり。過度に蓄積すれば聴力障害を起こす。耳くそ。耳かす。
    1. [初出の実例]「耵聹 耳垢也」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))

じ‐こう【耳垢】

  1. 〘 名詞 〙 耳のあか。みみあか。

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改訂新版 世界大百科事典 「耳垢」の意味・わかりやすい解説

耳垢 (みみあか)
cerumen

〈じこう〉ともいう。外耳道の中に自然に発生してくる異物。その成分は,外耳道から出てくる剝脱(はくだつ)した上皮,抜けた毛,外界から入った小石,ごみなどのほか,いちばん大きな部分を占めるのは,耳垢腺から分泌される脂肪,タンパク質などの混合物である。耳垢腺は汗腺の一種ではあるが,アポクリン腺といって,細胞がカップケーキ状にふくれ上がり,その膜が破れて細胞の内容物がとび出てくるので,脂肪,タンパク質を多く含んでいる。耳あかがたまると,難聴,耳閉感,痛み,めまいなどを起こす。耳あかは外界に自然に排出されることが多いが,排出されにくい人もいる。ふつうは2~3ヵ月に1回くらいとればよい。
執筆者: 耳あかには,含まれる脂肪酸の性質によって乾型(コナミミ)と湿型(アメミミ)の二つのタイプがあるが,この性質は第16番染色体上にある薬剤耐性に関係するABCC11遺伝子の538番目の塩基の違いによって決定されている。湿型が乾型に対して優性で,単純な遺伝様式をとる。湿型とわきがの出現頻度は並行しているとされている。集団による違いがあり,日本では乾型が8割程度を占め多数派であるが,ヨーロッパアフリカの集団では,ほとんどの人が湿型である。
執筆者:


耳垢 (じこう)

耳垢(みみあか)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「耳垢」の意味・わかりやすい解説

耳垢(じこう)
じこう

一般には耳垢(みみあか)、耳糞(みみくそ)とよばれる。外耳道の皮膚にある皮脂腺(せん)と耳垢腺からの分泌物や皮膚から剥脱(はくだつ)した上皮や塵埃(じんあい)(ちり、ほこり)などが混合してできている。皮脂腺と耳垢腺は外耳道の外側3分の1の皮膚に存在し、それより内側の外耳道皮膚にはこれらの腺がないので、耳垢は外耳道の奥には一般に少ない。耳垢は通常は乾燥し、淡黄色で、その量もあまり多くないが、人によっては湿潤性で黄褐色を呈し、量が多い。このような耳垢の耳を飴耳(あめみみ)、猫耳(ねこみみ)などとよぶことがある。しかし、これは病気ではなく体質によるもので、皮脂腺と耳垢腺が通常の人よりもよく発達し、その分泌物が多いのが原因であり、白人では乾燥した耳垢より湿潤した耳垢が多い。外耳道炎や中耳炎のときに出る耳漏(耳だれ)は病気に原因したものであり、鑑別が必要である。

[河村正三]

耳垢栓塞目次を見る

耳垢が大量にたまり、外耳道をほとんど閉塞(へいそく)した状態になっているものをいう。自覚的な症状が乏しくて気づかないことが多いが、水泳や洗髪で外耳道に水が入り、耳垢がふやけると外耳道が完全にふさがり、急に難聴や耳閉塞感あるいは耳鳴りがおこってくる。ときにはめまいがおこることもある。このような場合は、耳垢を軟らかくする耳垢水(グリセリンと重曹を基剤とした医薬品)を外耳道に繰り返し注入して、耳垢を軟らかくしてから洗い出すのがもっともよい。

[河村正三]


耳垢(みみあか)
みみあか

耳垢

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「耳垢」の意味・わかりやすい解説

耳垢
みみあか

外耳道に分布する汗腺や耳道腺の分泌物と剥離した表皮によりできるあか。耳くそなどともいう。性状に個人差があり,乾燥した灰白色のものを乾型 (粉耳) ,湿って粘りけのあるものを湿型 (飴耳) と名づけて区別する。湿型の人は耳道腺が発達しており分泌物が多い。このような人は腋窩腺の分泌も盛んで腋臭 (わきが) を伴うことが多い。湿型は乾型に対して単純優性に遺伝する。湿型の出現頻度には人種差や地域差がみられる。白人や黒人には多く,90%以上であるのに対し,黄色人種には少く,日本人で 10~20%を示す。

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普及版 字通 「耳垢」の読み・字形・画数・意味

【耳垢】じこう

耳あか。

字通「耳」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の耳垢の言及

【耳あか(耳垢)】より

…外耳道の中に自然に発生してくる異物。その成分は,外耳道から出てくる剝脱(はくだつ)した上皮,抜けた毛,外界から入った小石,ごみなどのほか,いちばん大きな部分を占めるのは,耳垢腺から分泌される脂肪,タンパク質などの混合物である。耳垢腺は汗腺の一種ではあるが,アポクリン腺といって,細胞がカップケーキ状にふくれ上がり,その膜が破れて細胞の内容物がとび出てくるので,脂肪,タンパク質を多く含んでいる。…

※「耳垢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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