聖杯(読み)セイハイ

  • ラテン
  • 聖杯 calix

世界大百科事典 第2版の解説

キリスト教のミサの典礼で用いるブドウ酒を入れ,聖別し,そこから拝領する器。カリスともいう。古代には奉納されるブドウ酒を集めるために大きな聖杯も用いられたが,後にそのミサで聖別する量だけを入れるものcalix ministerialisのみを用いるようになった。必要に応じて幾つかの聖杯を使うこともできる。その形態は杯部のみの,くぼみの深いものが多かったが,安定のために必要な糸底の部分が支柱状の脚台となり,杯部との間に握りの部分が目だつようになった。

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世界大百科事典内の聖杯の言及

【エメラルド】より

…魔王サタンが天から落ちてきたとき,その王冠から落ちたのがエメラルドだったという伝説もある。また〈聖杯伝説〉で騎士たちが探究する聖杯も,巨大なエメラルドを刻んだ容器と考えられていた。オウィディウスの《転身物語》第2巻には〈フォエブスは輝くエメラルドの玉座にすわっていた〉とあり,ダンテの《神曲―煉獄篇》第31歌では,黙示の鏡としてのベアトリーチェの目がエメラルドになぞらえられている。…

【グラストンベリー】より

…人口6770(1981)。伝説によれば,紀元1世紀アリマタヤのヨセフがこの地に〈聖杯〉(十字架にかけられたキリストの血を入れたとされる杯)を持ち来たったといわれる。そのため,グラストンベリーこそイングランド最初のキリスト教伝来の地である,とする伝説が生まれ,この地に残る名高い修道院の遺跡は,アングロ・サクソン人やデーン人の侵入にも,またノルマン人の征服にも耐え抜いた,ゆるぎなきキリスト教の栄光の証しであると,うたわれている。…

【聖杯伝説】より

…12世紀末ヨーロッパで顕在化したキリスト教の色濃い伝説だが,起源には諸説あり,ケルト説話を源とする考えが有力。聖杯Graal(英語はGrail)を扱った最初の作品はフランスの詩人クレティアン・ド・トロアの《ペルスバルまたは聖杯物語》(1185ころ)。主人公が漁夫王の城で目にしたふしぎな行列,血の滴る槍と光り輝く聖杯について,心に抱いた質問を口に出さなかった失敗がすべての発端であった。…

※「聖杯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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