肝斑(読み)カンパン(その他表記)Chloasma

デジタル大辞泉 「肝斑」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぱん【肝斑】

皮膚、特に顔面にできる褐色斑紋女性に多い。しみ

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精選版 日本国語大辞典 「肝斑」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぱん【肝斑】

  1. 〘 名詞 〙 皮膚病の一つ。皮膚に淡褐色または黄褐色の斑紋が現われる色素増殖症。しみ。

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六訂版 家庭医学大全科 「肝斑」の解説

肝斑
かんぱん
Chloasma
(皮膚の病気)

どんな病気か

 いわゆる「しみ」で、顔面に淡褐色斑として現れます。

 女性に多く、妊娠時に濃くなることや、経口避妊薬によって引き起こされることがあることなどから、女性ホルモン、とくに卵胞ホルモン黄体ホルモンとの関連が指摘されています。

 また、紫外線にあたりやすい部位に症状が現れ、実際に紫外線をあびることが症状の悪化と関連している場合が多いので、発症の原因として紫外線が重要であると考えられています。

 さらに、ストレスも関係していると考えられています。

症状の現れ方

 30~40代の女性の顔面、とくに頬、額、上口唇に左右対称に淡褐色の色素斑が現れます。妊娠時に現れる場合は、妊娠2~3カ月ころから現れることが多く、次第に色調が濃くなります。出産後には徐々に消えていく場合もありますが、長期に持続する場合もあります。

 経口避妊薬によるものでは、内服が長期になるほど症状が出やすくなります。

検査・治療の方法

 診断のための特別な検査は必要ありません。

 トラネキサム酸ビタミンCビタミンEの内服やハイドロキノンコウジ酸アルブチンリノール酸などの美白剤の外用、またはケミカルピーリングが効果的なことがあります。

病気に気づいたらどうする

 基本的には、紫外線にあたらないように注意をする必要があります。外出時にはサンスクリーンを使用するのがよいでしょう。ストレスをためないように気分転換を行ったり、十分な睡眠をとることも大切です。

 治療については皮膚科専門医に相談してください。

堀川 達弥

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「肝斑」の意味・わかりやすい解説

肝斑
かんぱん

俗称しみ。おもに30歳以後の女性の顔面、すなわち前額、頬骨(きょうこつ)(ほお骨)、鼻背(はなすじ)、口囲部などで左右対称性に生ずる色素斑。境界鮮明な褐色斑をいい、点状ないし斑状を呈する。病理組織学的には、表皮基底層におけるメラニンの増加が認められる。月経時や妊娠時に発生、増悪(ぞうあく)をみる例が多く、原因としては卵胞ホルモンなどの内分泌による影響が考えられている。治療としては、ビタミンCの内服、直射日光を避けることなどが行われるが、一般に難治である。しかし、ときに自然治癒もある。

[山田 清]

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家庭医学館 「肝斑」の解説

かんぱんしみ【肝斑(しみ) Chloasma (Melasma)】

[どんな病気か]
 成人女性の額(ひたい)、頬(ほお)、口の周囲などにみられる、左右対称で境界が鮮明な褐色斑(かっしょくはん)です。まれに男性にもみられます。
 妊娠や避妊薬服用など、血液中の女性ホルモンが多くなると色が濃くなるため、内分泌(ないぶんぴつ)の変動が関係していると考えられていますが、詳しいことはまだわかっていません。また、紫外線もしみの色を濃くします。
[治療]
 そばかすの場合と同様、遮光(しゃこう)が効果のはっきりした対処法であり、予防法です。
 妊娠で濃くなったしみは、数か月すると自然に薄らぎます。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肝斑」の意味・わかりやすい解説

肝斑
かんぱん
chloasma

俗にしみという。顔面,特に最も強く日光を受ける部位である前額,眉毛の直上,頬,上口唇部などに左右対称性に生じる,境界の比較的鮮明な褐色の色素沈着斑。斑の形状はさまざまで,自覚症状はない。化粧品を多用する思春期以降の女性に多発する傾向があり,妊娠とか日光照射によって悪化する。原因はまだ十分解明されていない。

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百科事典マイペディア 「肝斑」の意味・わかりやすい解説

肝斑【かんぱん】

しみ

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世界大百科事典(旧版)内の肝斑の言及

【しみ】より

…顔面,とくに眼の付近の前額部,頰部などにみられる褐色ないし灰褐色の色素斑で,肝斑とも呼ばれるが,肝機能障害との関係はない。色素斑の境界は比較的鮮明で,種々の形をとるが,発赤,搔痒(そうよう)感(かゆみ)などの炎症症状を伴わない。…

※「肝斑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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