脇句(読み)わきく

精選版 日本国語大辞典 「脇句」の意味・読み・例文・類語

わき‐く【脇句】

〘名〙 連歌俳諧付合(つけあい)で、発句の次につける七・七の句。発句の意をくんで付け、季節は発句と同じにする。脇。
源平盛衰記(14C前)三七「いかに発句・脇句(ワキク)、いづれ増りとぞ仰ける」

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デジタル大辞泉 「脇句」の意味・読み・例文・類語

わき‐く【脇句】

連歌・連句で、発句ほっくの次に七・七と付ける第2句。ふつう、発句と同季。脇。

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改訂新版 世界大百科事典 「脇句」の意味・わかりやすい解説

脇句 (わきく)

連歌・俳諧用語。連句の第二句である七七の14音節句。〈客発句・亭主脇〉といって,一座)の亭主が受け持ち,常連のみの集いでも客の挨拶に答える心でよむ。一句の作意をこらすよりも付けることが大事で,発句(ほつく)の意を十分に忖度(そんたく)し,その状況をよくふまえて,それに逆らわず,寄り添い補うように付ける。和歌の下句を付ける要領だが,一句としても独立の判断を必ず示さねばならない点が異なる。当然ながら発句と同季,それも発句の季語が初・仲・晩の三月にわたる場合は,当季に従ってそのいずれかに定める。発句が神祇・釈教・恋の句ならば,やはりそれに合わせる。句末は〈韻字留(いんじどめ)〉といって,仮名より漢字の語がよいとされた。要するに,句末を体言にしてすわりをよくすることで,用言の場合は終止形にする。発句・脇の和歌一首のごとき合体感を強調し,三句目の転じを効果的にするくふうである。夢想の句や古人の作を発句にして脇から始める連句を〈脇起し〉という。
連句
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脇句」の意味・わかりやすい解説

脇句
わきく

連歌,俳諧の用語。連歌,俳諧において,巻頭の発句に続く第2句をいう。句形は発句の5・7・5に対し,7・7。発句が客の役であるのに対し,脇句は古来亭主の役とされ,客に対する挨拶の心をもって,発句の言い残した言外余情を継ぐようにつける。とまりは韻字止めが普通。

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