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脳良性腫瘍 のうりょうせいしゅよう (Brain Benign Tumor)

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家庭医学館の解説

のうりょうせいしゅよう【脳良性腫瘍 (Brain Benign Tumor)】

 脳腫瘍(「脳腫瘍とは」)のうち、生命に危険のあるものを脳悪性腫瘍(のうあくせいしゅよう)(「脳悪性腫瘍」)、生命に危険のないものを脳良性腫瘍といい、脳良性腫瘍は脳腫瘍の75%前後を占めます。
 脳良性腫瘍が発生すると、その部位に応じた局所症状が現われてきますが、頭痛、吐(は)き気(け)・嘔吐(おうと)などの頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)症状(「頭蓋内圧亢進/脳ヘルニア」)が現われることは少ないものです。
 良性腫瘍は、たいていは手術で取り除くことができ、これで症状も消え、完治します。
 しかし、良性腫瘍でも、発生した部位によっては、生命にかかわることがあります。たとえば、呼吸、血液循環などをコントロールする脳幹(のうかん)に発生すると、そのはたらきが失われ、生命にかかわるようになりますし、脳幹を傷つけ、そのはたらきを損なう危険があるために手術もできません。このような脳良性腫瘍を臨床的悪性と呼んでいます。
 また、放置すると、しだいに悪性に変化するものもあります。これを準脳悪性腫瘍または比較的脳悪性腫瘍といいます。
 脳良性腫瘍には、数多くの種類がありますが、以下にあげる腫瘍が代表的なものです。
星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
 神経細胞とそれを支える神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)に発生する神経膠腫(しんけいこうしゅ)の1つで、おとな大脳半球に、子どもは、小脳、脳幹、視神経に発生することが多いものです。
 手術をして腫瘍を取り除きますが、小脳に発生したものは、部分切除になることが多いものです。脳幹、視床下部(ししょうかぶ)に発生したものは臨床的悪性です。星細胞腫全体の5年生存率は、約50%にすぎません。
神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
 脳神経を包むシュワン鞘の細胞(図「末梢神経の髄鞘」)から発生する腫瘍で、95%は聴神経に、残りのほとんどは三叉神経(さんさしんけい)に発生します。
 まず、耳鳴(みみな)りと聴力の低下がおこり、ついで顔面神経まひがおこってきます。
 手術をして腫瘍を摘出しますが、難聴や顔面神経まひなどの後遺症がおこることがあります。顔面神経まひが残れば、1か月以内に顔面神経の再建手術が行なわれます。
 腫瘍にγ(ガンマ)線を集中して照射するガンマナイフが行なわれることもあります。
■髄膜腫(ずいまくしゅ)
 脊髄(せきずい)を包む髄膜に発生する腫瘍で、成人の女性に多く、妊娠による腫瘍の増大や乳がんの合併がみられることがあるため、発生に性ホルモンが関係すると考えられています。
 手術で腫瘍を摘出します。5年生存率は、95%前後と良好です。
下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)
 下垂体の前葉(ぜんよう)に発生する腫瘍で、おとなに多くみられます。
 下垂体からはいろいろなホルモンが分泌(ぶんぴつ)されるので、腫瘍が発生すると、ホルモンの分泌状態が変化してきます。そして、変化したホルモンに応じて、プロラクチン産生腫瘍、成長ホルモン産生腫瘍副腎皮質(ふくじんひしつ)刺激ホルモン産生腫瘍、卵胞(らんぽう)刺激ホルモン産生腫瘍、黄体化(おうたいか)ホルモン産生腫瘍などとも呼ばれます。
 手術で腫瘍を摘出しますが、プロラクチン産生腫瘍の場合は、乳汁(にゅうじゅう)を分泌させるプロラクチンの分泌を抑制するブロモクリプチンという薬が使用されることもあります。
■胚腫瘍(はいしゅよう)(胚細胞腫(はいさいぼうしゅ))
 生殖細胞から発生する胚細胞腫瘍の1つで、子どもに多いのですが、おとなにもおこります。手術で腫瘍を摘出することもありますが、放射線療法がよく効くので、放射線療法だけで治療することが多いものです。

出典|小学館
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