六訂版 家庭医学大全科 「膝内障」の解説
膝内障
しつないしょう
Internal derangement of the knee
(外傷)
どんな障害か
膝内障とは、以前は膝関節の
臨床的に分類すると、①
半月板は膝関節の内側と外側にあり、
症状としては、膝関節の疼痛、ひっかかり感、嵌頓、関節水症などがみられます。小児期では先天性の円板状半月の損傷があり、明らかな外傷がなくても膝の伸展障害を示します。
診断は、以前は関節造影が行われていましたが、現在はMRIで診断可能です。治療は、膝関節鏡を使った半月板部分切除術や半月板縫合術を行います。術後の成績は良好でスポーツをすることも可能です。
②靭帯損傷
前項の膝関節捻挫(ねんざ)を参照してください。
③その他の損傷・障害
関節内遊離体(ゆうりたい)、離断性(りだんせい)骨軟骨炎、
膝蓋軟骨軟化症は若年の女性に多く、膝の前面の痛みが主訴になります。膝特発性骨壊死は60歳以上の女性に多く、膝関節の大腿骨
最近は、これらの疾患は一つひとつが独立した疾患として扱われ、膝内障という病名は次第に使われなくなっています。現在ではむしろ確定診断がまだついていない膝の損傷・障害に使い、診断がついた時点で、たとえば半月板が痛みの原因とわかれば、半月板損傷という診断に変えます。
中川 研二
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報