自己誘導(読み)じこゆうどう(英語表記)self-induction

翻訳|self-induction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自己誘導
じこゆうどう
self-induction

閉ループ回路の電流が時間的に変化すると,電流の変化を妨げる向きに回路に逆起電力が生じる現象。アンペールの法則から磁場は電流 I に比例し,回路磁束鎖交数λは,λ =LI ( L は比例定数で自己インダクタンスという) となるが,電流が変化すると磁束が変化するので,ファラデー電磁誘導法則から E=-LdI/dt起電力が回路に発生する。これはコイルの場合に著しく,この種の素子と起電力を含む回路をスイッチにより遮断すると,スイッチの接点間に逆起電力によって大きな電圧が生じ,火花を発生して接点の焼損や雑音を生じる場合がある。

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大辞林 第三版の解説

じこゆうどう【自己誘導】

電気回路を流れる電流が変化するとき、回路に起電力が誘導される現象。起電力は電流の変化を妨げる向きに生じる。自己感応。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自己誘導
じこゆうどう

電磁誘導のうちで、自分自身がつくる磁界(磁場)が変化したときにおこる電磁誘導をいう。自己感応ともいう。はコイルに電流を流したときに生ずる磁界を示す。磁界の強さは電流に比例するが、磁力線の形は電流が変化しても変わらない。さて、電流が変化すると、このコイルを貫く磁束が変化する。電磁誘導の法則により、このコイルに誘導起電力が発生する。誘導起電力の大きさは、電流の時間変化の割合に比例する。この比例係数を自己誘導係数または自己インダクタンスという。自己感応係数ということもある。電流が毎秒1アンペア変化するとき、1ボルトの誘導起電力を発生するような自己誘導係数を1ヘンリーという。コイルに発生する誘導起電圧の向きは、コイルを流れる電流の変化を妨げる向きである。コイルの自己誘導係数は、コイルの幾何学的な形だけで決まる。形が同じならば、自己誘導係数はコイルの巻き数の2乗に比例する。コイルの中を鉄、フェライトなど強磁性材料で満たせば、自己誘導係数は透磁率倍となる。
 コイルには、直流電流はそのまま通すが交流電流は通しにくい働きがある。直流回路のオームの法則の抵抗に相当するものは、コイルの自己誘導係数と交流周波数の積である。しかし、抵抗と違って熱を発生しない。コイルは交流回路、電子回路において、抵抗、コンデンサーとともに重要な部品である。[山口重雄]

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世界大百科事典内の自己誘導の言及

【電磁誘導】より

…閉じた回路の近くで永久磁石を動かすか,あるいは電流が流れている他の回路を動かしたり,その電流を切ったりしたときこの現象が観測されるほか,また閉じた回路に流れている電流が変化した場合にも,この回路を貫く磁束が変化するため回路に誘導起電力を生ずる。これを自己誘導といい,これに対して,二つの電流回路を流れる電流の一方が変化することによって,他方の回路に誘導起電力が生ずる場合を相互誘導という。これらの現象でたいせつなことは,電気的量,または磁気的量が時間的に変化していることである。…

※「自己誘導」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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