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自然神学 しぜんしんがくtheologia naturalis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自然神学
しぜんしんがく
theologia naturalis

キリスト教神学の一部門。神についての認識をイエス・キリストによる啓示に直接よらないで,理性の能力によってのみ探究していこうとする神学の部門。これによって啓示神学が反理性的でないことを間接的に証明しようとする。トマスアクィナスの『対異教徒大全』 Summa contra gentilesなどにその典型がみられる (→スンマ・コントラ・ゲンティレス ) 。神の本質認識に関する理性の不可能性と,それゆえ啓示神学の必要性を主張する点で 17~18世紀の理神論と根本的に異なる。近年 K.バルトらの弁証法神学は自然神学の可能性を否定しているが,これを完全に否定すれば,神学そのものが否定されることとなる。

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デジタル大辞泉の解説

しぜん‐しんがく【自然神学】

キリスト教神学の一。神の啓示を、キリストの恩寵(おんちょう)以外に、人間の理性によっても認知できるとするもの。

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百科事典マイペディアの解説

自然神学【しぜんしんがく】

英語natural theologyなどの訳。啓示ではなく,自然的理性によって神の存在や属性を考察する学の体系。啓示神学に対する。

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世界大百科事典 第2版の解説

しぜんしんがく【自然神学 natural theology】

啓示にたいする信仰を出発点とする啓示神学と違って,自然的理性の光の下に到達された,神の存在や属性をめぐる認識の学的体系。哲学的神学あるいは神義論と同義に用いられることもある。神(あるいは神々)と宇宙世界の根源とを同一視する立場からすれば,自然神学の歴史はイオニアの自然哲学者までさかのぼることになる。同様に,この語をもってプラトンアリストテレスの神学について語ることができる。用語としては前1世紀のローマの文人ウァロが神学を神話的,自然的,国家的の3種類に分類したのに由来する。

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大辞林 第三版の解説

しぜんしんがく【自然神学】

キリストにおける啓示を基礎とする啓示神学に対し、人間に本来的に与えられている理性(自然の光)によってキリスト教の真理性を証明しようとする神学。すでにトマス=アクィナスの思想に、こうした傾向が萌芽的に見られる。理神論なども含む。

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