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自由之理 ジユウノリ

世界大百科事典 第2版の解説

じゆうのことわり【自由之理】

明治初年の啓蒙的翻訳書。原書はイギリス功利主義の思想家J.S.ミルの《On Liberty》(1859)で,中村正直が1871年(明治4)に翻訳し,翌年刊行された。中村の人格・学識と相まって,明治前半の青年知識人の必読書となった。本書はルソーやスペンサーの著書とともに自由民権思想の形成に最も大きな影響を与えた書物の一つで,河野広中は本書を読んで〈心の革命〉を起こし,自由民権運動家になっていったという。

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大辞林 第三版の解説

じゆうのり【自由之理】

J = S =ミルの「自由論」を中村正直が翻訳したもの。1872年(明治5)刊。

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世界大百科事典内の自由之理の言及

【自由】より

… libertyあるいはfreedomの訳語に〈自由〉をあてたのは江戸時代にさかのぼり,19世紀後半の辞書に見いだされるが,明治初年には自由の語のマイナス評価を意識的に避け,自主,自在などの訳語をあてる試みもなされた。しかし庶民の中に浸透していた〈自由〉の語は,中村正直の《自由之理》(1872)の普及と相まって,結局,その訳語として定着していく。このようなマイナス評価を多少ともともなった〈自由〉の語が,liberty,freedomの訳語となったことが,日本の近代における自由・自由主義に対する評価に微妙な影響を与えつづける結果になっている点は,見逃すわけにはいかない。…

【中村正直】より

…翌年静岡北郊の大岩村の屋敷に私塾同人社を営んだ。そのころよりサミュエル・スマイルズの《Self Help》を訳しはじめ,71年《西国立志編》として刊行し,72年にはジョン・スチュアート・ミルの《On Liberty》を《自由之理》として訳刊した。前者は近代国家形成期の広範な明治青年の精神的よりどころとなって愛読され,後者はとくに青年知識人の必読書となり,河野広中は本書によって自由民権思想に目が開かれたというほど,両書は強い影響を与えた。…

※「自由之理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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