臼杵石仏(読み)ウスキセキブツ

デジタル大辞泉 「臼杵石仏」の意味・読み・例文・類語

うすき‐せきぶつ【臼杵石仏】

臼杵市にある、日本最大の磨崖仏まがいぶつ群。大日如来釈迦三尊・十王像など75体が残る。大部分は平安後期の作で、鎌倉・室町期のものもある。特別史跡重要文化財臼杵磨崖仏深田石仏

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精選版 日本国語大辞典 「臼杵石仏」の意味・読み・例文・類語

うすき‐せきぶつ【臼杵石仏】

  1. 大分県臼杵市にある平安時代から室町時代にかけての磨崖(まがい)仏群。深田中尾前田の二地区から成る。凝灰岩岩壁に彌陀三尊、山王山如来、大日如来像など五九体がある。国特別史跡。臼杵磨崖仏

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「臼杵石仏」の意味・わかりやすい解説

臼杵石仏
うすきせきぶつ

大分県臼杵市の中尾(なかお)、深田(ふかた)、前田(まえだ)の3地区に所在する平安時代末から室町時代にかけての石仏群。1952年(昭和27)国の特別史跡に指定された。指定名称は「臼杵磨崖仏(まがいぶつ)」。このうち中尾・深田地区の石仏群は、ホキ第1群(堂ヶ迫(どうがさこ))、ホキ第2群、山王山、古園(ふるぞの)、木原観音の6群からなり、磨崖仏(摩崖仏とも書く)など60余躯(く)がある。前田地区には、1群のみ7躯の磨崖仏がある。

 磨崖仏は、凝灰岩の斜面を利用し、丸彫り手法により彫られている。木彫仏に類似した臼杵石仏の容姿と立体感は、日本石仏中の優品の一つといわれる。深田地区では、1976年から82年まで石仏周辺の環境整備に伴う発掘調査が臼杵市教育委員会によって実施され、石仏に関連する寺院跡の存在が確認された。

 臼杵石仏のうち、中尾・深田地区のホキ第1群、ホキ第2群、山王山、古園の石仏4群59躯は、1962年国指定重要文化財となり、95年(平成7)には石仏としては初の国宝に指定された。なお、1980~94年に保存修復工事が行われ、修復後石仏の保存施設として覆屋を設置。また、それまでは古園石仏の中尊である大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)の仏頭が地上に安置されていたが、このときの修復により仏頭は本来の位置に戻された。

[菊田 徹]

『賀川光夫編『臼杵石仏 よみがえった磨崖仏』(1995・吉川弘文館)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臼杵石仏」の意味・わかりやすい解説

臼杵石仏
うすきせきぶつ

大分県臼杵市深田および掻懐 (かいだき) にある磨崖仏。大小 59体。制作年代は平安時代後期頃。数体ずつが一群をなし,ほき,堂ヶ迫,山王山,古園などの各地に分散。古園十三仏の本尊『大日如来像』といわれる像は,藤原時代の石造彫刻の傑作。 1995年国宝に指定された。

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事典 日本の地域遺産 「臼杵石仏」の解説

臼杵石仏

(大分県臼杵市大字深田804-1)
おおいた遺産」指定の地域遺産。
磨崖物としては初めて国宝に指定された石仏群(60余体のうち、59体を指定)。平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたといわれる

臼杵石仏

(大分県臼杵市深田804-1)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

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