中世の荘園(しょうえん)、公領などで、米など規定の年貢物にかわって、各種の生産物、加工品、さらには銭貨(せんか)によって行われた年貢物代納の制度。個々の荘園、公領では凶作、生産条件の変化、さらには荘民などの要求によって、規定年貢物の貢納が困難になった場合、米などにかわって絹、綿、麻、布、麦、大豆、油、塩などで代納される例がみられた。また鎌倉中期以降には商業の発達、銭貨流通の増大、中央の権門(けんもん)社寺など荘園領主経済における貨幣依存の度合いが増えるにつれて、銭貨による年貢物代納、すなわち色代銭納例も増えていった。色代納の普及は、米納中心の貢納形態に変化を与え、各地の特産物生産と、特産物貢納を促進する一つの契機となった。
[佐々木銀弥]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
古代~中世,庸調(ようちょう)や米年貢などの租税を指定以外の品目で貢納すること。中世では米のかわりに雑穀,綿・絹布,塩,油などで代納。銭で色代納された場合は色代銭といった。指定納入品目の不足や,代納品との交換比率による利潤取得の目的などのため行われた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…色代納の意で,租税・年貢などをあらかじめ決められた品目以外の品で納入することをいう。色代のことはすでに1081年(永保1)の若狭守藤原通宗解にみえ,その中で通宗は調絹1疋を代米1石あるいは1石5斗で納入したいと述べている。…
※「色代納」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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