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花郎 かろうhwarang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

花郎
かろう
hwarang

「国仙」とも「香徒」とも呼ばれる。朝鮮,新羅王朝時代に成立した青少年団体の呼称。『三国史記』によれば真興王 (在位 540~576) 時代に花郎集団の制度的基礎が定められたとされている。花郎集団に属する青少年たちはこれに参加することによって武を練り,風雅の道をたしなんだ。花郎集団は特に対外戦争でめざましい功績をあげた。花郎に属することは一つの名誉でもあり,花郎集団は勇壮な戦士団でもあった。有名な金 庾信 (きんゆしん) も貴族出身の花郎の一人であった。

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世界大百科事典 第2版の解説

かろう【花郎】

朝鮮,新羅の青年貴族集会の指導者。上級貴族の15,16歳の子弟を花郎として奉戴し,そのもとに多くの青年が花郎徒として集まって集会を結成していた。花郎に奉戴された者は,半島統一の英雄金庾信(きんゆしん)を含め新羅滅亡までに200余人を数え,各花郎に属した花郎徒はそれぞれ数百人から1000人に及んだと伝えられている。彼らは平時は道義によってみずからを鍛え,歌楽や名山勝地での遊楽を通じて精神的,肉体的修養に励んだ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

花郎
かろう

朝鮮の新羅(しらぎ)時代、貴族の子弟からなる青年集団が奉戴(ほうたい)した美少年。またそうした習俗。朝鮮音でファランという。源流は原始韓(かん)族の男子集会舎に求められ、高句麗(こうくり)(けいどう)も同様な性格のものと考えられる。6世紀の真興王代に美少年2人を粧飾(しょうしょく)して花郎とよび、それを中心に貴族の子弟を二分し、互いに対立して道義、歌舞、武技などを磨かせたのが始まりとされる。花郎の数は(したがって集団の数も)しだいに増え、新羅末期まで全代を通じて200余人はいたというが、名を伝えているのは三国統一の英雄金(きんゆしん)など20余人にすぎない。機能は戦士団であり、教育機関であり、弥勒(みろく)信仰を奉ずる宗教的集会でもあり、新羅の発展に大きく寄与した。しかし高麗(こうらい)時代以降は変質し、李朝(りちょう)時代には男覡(だんげき)、倡優(しょうゆう)などの呼称となった。[田中俊明]

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世界大百科事典内の花郎の言及

【新羅】より

…562年には高霊加羅をはじめ加羅諸国を傘下におさめ,漢江流域を制圧し,東海(日本海)岸では咸鏡南道北部まで勢力をのばし,ここに四方軍主をおいて,地方制度を州・郡まで整備した。 ついで真平王代(579‐632)では,中央官職や軍官職・軍団など諸制度の整備をすすめたが,その官制は貴族体制の制度化で,まだ官僚体制ではなく貴族の請負制で,重要な職掌は複数貴族の合議制であり,軍隊は貴族の私兵や宗教的な花郎(かろう)の集団が中心となっている。この時期の国際関係では,三国間の抗争は小康状態であるが,この間に隋・唐の統一国家が中国に生まれ,朝鮮にも統一の気運が生じていた。…

【川前里書石】より

…その中には法興王と高官のほか,随行した〈作食人〉の名もある。また花郎の名も多くみえ,ここが貴族青年たちの修練の場であったことが知られる。【浜田 耕策】。…

【年齢集団】より

… 東アフリカの年齢階梯制ほど整っていないにしても,年齢集団をもつ部族社会はメラネシア,ミクロネシア,インドネシアの若干の地域,東部インドのアッサム地方やムンダ諸族,ドラビダ系諸族,チベット,ミャンマーの若干,北アメリカの平原インディアンの一部,南アメリカではブラジル奥地のボロロ族などにみられる。日本の周辺では,台湾のインドネシア系高山族(山地民),ミクロネシアのヤップ島,パラオ島に顕著なものがあり,朝鮮では新羅時代の花郎(かろう)(ファラン)とよばれた貴族の青年戦士組織が特異な年齢集団であった。中国では,古くは先秦時代の加冠礼や男子集会所に年齢集団がみられるとする見解がある。…

【仏教】より

…五に曰く,殺生に択むあり〉である。臨戦無退と殺生有択を教えた世俗五戒は護国仏教のイデオロギーとなり,弥勒信仰とともに花郎道の精神的基盤となった。この伝統は高麗時代になって《高麗大蔵経》の彫造となって現れた。…

※「花郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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