デジタル大辞泉
「渋い」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
しぶ・い【渋】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]しぶ・し 〘 形容詞ク活用 〙 - ① 渋柿をかじったような、舌をしびれさせるような味である。
- [初出の実例]「苦く渋(シフク)して滋き味無けむ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
- 「さればこそしぶいが一定じゃ、そうじてしぶがきをくふては、うそがふかれぬと聞及ふだが誠じゃよ」(出典:虎明本狂言・合柿(室町末‐近世初))
- ② 声などがなめらかでない。ぎこちない。
- [初出の実例]「鶯の声またしぶく聞ゆなりすだちのをのの春のあけぼの」(出典:按納言集(1186‐87頃))
- ③ 金を出すのをいやがるさまである。けちである。吝(しわ)い。
- [初出の実例]「さし鯖や渋き舅の酒きげん」(出典:俳諧・葎亭句集(1801)四)
- ④ 華美でなく、地味で落ち着いた趣がある。落ち着いた深い味わいがある。くすんでいて美しい。
- [初出の実例]「人間も霜がかかると渋く成り」(出典:雑俳・柳多留‐一二三(1833))
- 「二上りの極渋(シブ)い元歌だ一番もうかるぜ」(出典:西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一二)
- ⑤ 不平そうである。にがりきった表情である。不機嫌そうである。
- [初出の実例]「食へなんだ柿の銭払うた、しぶい顔して」(出典:咄本・新板一口ばなし(1839)三)
- 「主人の顔は渋い」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三)
- ⑥ 物がなめらかに動かない。
- [初出の実例]「車廂穏かなるも、転輪の猶渋きを覚ふなり」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
渋いの派生語
しぶ‐がる- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
渋いの派生語
しぶ‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
渋いの派生語
しぶ‐さ- 〘 名詞 〙
渋いの派生語
しぶ‐み- 〘 名詞 〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 