茶音頭(読み)チャオンド

デジタル大辞泉 「茶音頭」の意味・読み・例文・類語

ちゃおんど【茶音頭】

地歌箏曲そうきょく横井也有作詞の地歌「女手前」の歌詞を抜粋したものに、菊岡検校きくおかけんぎょう作曲。また、八重崎検校箏曲編曲茶の湯関係のある辞句を使って男女の縁の末長いことを歌う。茶の湯音頭

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精選版 日本国語大辞典 「茶音頭」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐おんど【茶音頭】

  1. 地歌の一つ。横井也有作詞の地歌「女手前」の歌詞を簡略にしたもので、茶の湯に関係のある辞句と掛詞や縁語を多く使って、男女の情愛を述べたもの。菊岡検校三味線に作曲。これに合奏できる箏の作曲者は八重崎検校手事物の曲。茶の湯音頭

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改訂新版 世界大百科事典 「茶音頭」の意味・わかりやすい解説

茶音頭 (ちゃおんど)

地歌・箏曲の曲名。《茶の湯音頭》とも。三弦は菊岡検校,箏は八重崎検校作曲の京風手事物。ただし現行の箏の手は流派や地域によって異なる。原曲は横井也有作詞・伊勢屋三保作曲の三弦曲の伊勢音頭の《女手前》で,その歌詞を縮約して手事を付けたもの。茶の湯にちなむ言葉をつなぎながら,遊女心情を歌いこんでいる。曲名に〈音頭〉が付くが,それは原曲の伊勢音頭に由来するもので,いわゆる〈音頭物〉ではない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「茶音頭」の意味・わかりやすい解説

茶音頭
ちゃおんど

地歌・箏曲の曲名。「茶の湯音頭」「茶尽し伊勢音頭」ともいう。京風手事物。菊岡検校作曲。箏手付は八重崎検校。伊勢屋三保作曲,横井也有作詞の端歌物『女手前』を原曲とし,詞章を縮小して新たに節づけし,手事を加えたもの。茶の湯で用いる道具などを綴りながら,遊女の情を歌う。構成は前弾き-前歌-手事 (手事・中チラシ・本チラシ) -後歌。中チラシを手事の2段とする流派もある。三弦は六下りから三下り。三味線音楽中の六下りの初出とされる。箏は中空調子から平調子。山田流では平調子で,1世または2世山木検校の移曲と伝える。西山徳茂一による二上りの替手もある。なお,この曲を伴奏に茶の湯を立てることがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶音頭」の意味・わかりやすい解説

茶音頭
ちゃおんど

地歌(じうた)、箏曲(そうきょく)の曲名。『茶の湯音頭』ともいう。本来は生田(いくた)流の曲だが、山田流でも演奏する。明治初期の作品で、菊岡検校(きくおかけんぎょう)作曲。その後、八重崎(やえざき)検校によって替手風の箏(こと)の手がつけられた。地歌に俳人横井也有(やゆう)作詞の伊勢(いせ)音頭につくった『女手前』というものがあり、この文句を整理し、別の曲をつけたものである。茶の湯の道具や茶室の名称にかけて、男女の仲を歌ったものである。三絃(さんげん)の調弦は六下りという変わった調子を用いているが、手事(てごと)の終止部にのみその曲調の特質が表れる。後唄(あとうた)で、三絃は三下りになる。

[茂手木潔子]

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百科事典マイペディア 「茶音頭」の意味・わかりやすい解説

茶音頭【ちゃおんど】

地歌,箏曲の曲名。菊岡検校作曲,八重崎検校箏手付の京風手事物。茶道具,茶室などを縁語でつづって男女の縁の末長いことを歌ったもの。この曲を演奏しながら茶をたてることもあるが,曲そのものとは関係ない。

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